ハラスメント研修会開きました(看護介護部会:その2)

2014年1月7日|

【講演の骨子】

IMG_8915.JPG

 私は宮崎に来て22年になります。出身は福岡県の北九州市で、ここに来る前は神戸にいて、東京、下関、久留米、埼玉、横浜など色々な所にいましたが、この年齢になってみると、宮崎が一番いいと思います。

 皆さんの仕事は大変だと思います。私の母親も北九州市の老健施設に入っていました。職員に大分迷惑をかけていたのではないかと思いますが、皆さんも本当にストレスの多い仕事をされていると思いますが、でも大きな社会貢献をされています。自らこの仕事を選んで、頑張っていらっしゃることに深い敬意を示したいと思います。

 さて、平成24年の宮崎県民意識調査の中で「あなたにとって『豊かさ』とは何ですか?」という設問がありました。「豊かさ」とは抽象的ですが、「満ち足りた気持ち」とか、「満足度」、もう少し言えば「幸福感」かもしれません。これに対して「心身の健康」、そして「家族と周囲との良好な人間関係」と答えた人が非常に多くいました。この「周囲との人間関係」とは、皆さんにとっては職場や仲間との人間関係と言えます。それと心身の健康とが幸福感につながるわけです。

 しかし、今日の講演のテーマになっている「ハラスメント」はその逆です。色々な問題がでてきます。世界保健機関(WHO)の疫学調査によると、世界におけるうつ病の有病率は人口の5パーセントにあたる35千万人と言われています。また人生において女性は5人に1人、男性は10人に1人がうつ病を経験すると言われています。日本では15人に1人が生涯に1度は経験すると言われています。「経験」ですから、うつ病の質や期間は人によって違います。私も「あのときはへこんだな」という時があります。大きな病気をして、今でも月に一度精密検査をしていますが、ずっと付き合っていかなくてはいけない病気です。妻もへこみました。

 このように、誰しも人生の中でいろんなことがあり、その中で心身の不安定な状況に陥ることがあって、それが強い場合もあれば、そうでない場合もあります。今までにあった人もいれば、これから先にある人もいるかもしれません。

 ストレスの度合いを調べる方法として調査票による簡易ストレスチェックがあります。要チェックの人は医療機関に相談をして下さい。

 

(※心理的ストレス反応、身体的ストレス反応、調査票の評価等について、スライドを用いて説明がありました。厚生労働省ホームページの「5分でできる職場のストレスチェック:https://kokoro.mhlw.go.jp/check/:を活用されるとよいかと思います」

 

 ストレスと付き合うというのは難しいのですが、「気分転換をする」、「落ち着ける環境を。休憩時間に音楽を聴くなど独自の空間を」、「趣味を持つ」、「ストレス解消にタバコやお酒に頼らない」、「内にためずに言葉に出してみる。日記に書くなどもよい」などといったポイントがあります。むずかしいのですが、付き合っていかなければなりません。

 また、笑うことはいいことです。笑うことでナチュラルキラー細胞が活性化されると言われていますが、「最近笑ったことがない」という方もおられるかもしれません。自然を親しむ機会を持ったり、ウォーキングなどの適度な運動をするのもいいです。そして「友人や家族、同僚、上司など、親しい人達とのネットワークを作る。助け・助けられる関係を作る」というのがとても大切です。しかし、ハラスメントの問題というのはこういった関係を壊してしまいます。いろんな影響を及ぼしてしまいます。これがとても残念なことなのです。

IMG_8909.JPG

(つづく)

« 前のページに戻る

TOPへ