ハラスメント研修会開きました(看護介護部会:その3)

2014年1月8日|

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 どの病院や施設にも、それぞれその理念や基本方針があると思います。その中には「利用者やその家族に納得していただける医療・介護・福祉サービスを継続して提供する」といった内容が盛り込まれていると思いますが、ということは、そこで働く皆さんの心身が健康でないといけません。職場の人間関係が良好でないと実現は難しいです。

 また職員の資質向上や人材育成、チームワーク等もあると思いますが、ハラスメントはその逆です。チーム医療の推進どころか、停滞や後退してしまいます。「相手の立場に立った目配り・気配り」も、利用者の立場に立ったものでしょうが、まずは職員同士での目配り・気配りができないとうまくいきません。健全な経営管理ができず、地域から信頼されず、施設閉鎖ということもあり得ます。

 

【労働関係におけるハラスメント】

 私は宮崎労働局で働き方・休み方改善コンサルタントをしていますので、労働関係について少しは承知しています。職場ハラスメントには(1)モラル・ハラスメント、(2)パワー・ハラスメント、(3)セクシャル・ハラスメント・・・の3つがあります。

 モラル・ハラスメントとは、言葉や態度、身振りや文書などによって、働く人間の人格や尊厳を傷つけたり、肉体的、精神的に傷を負わせて、その人間が職場を辞めざるを得ない状況に追い込んだり、職場の雰囲気を悪くさせる行為をいいます。

 パワー・ハラスメントとは、管理、監督者またはこれに準ずる者がその地位または職務権限を利用し、これに抗しがたい地位にある者に対して、就業上、著しい不利益を与える行為または業務を妨げる行為、また管理、監督者またはこれに準ずるものが不適切な行動または差別的な取扱いにより、就業上の環境を害する行為をいいます。

 セクシャル・ハラスメントとは、時・場所・相手をわきまえずに、相手を不愉快にさせる性的な言動のことです。セクハラとなるかどうかは、あくまでも平均的な女性(男性)がその状況で、そのような言動を受けた場合、不快と感じるかどうかを基準に判断されます。

 この「ハラスメント」とはどういうことでしょうか。これは、「嫌がらせ、いじめ」の事です。英語では「苦しめる事、悩ませること、迷惑」という意味です。また、「モビンング」という言葉もあります。これは「頻繁に繰り返される組織的な嫌がらせ」という意味です。この「ハラスメント」と「モビング」はどう違うのかというと、実は同じような意味です。

 さて、労働関係におけるハラスメントですが、ベルギー法による「労働関係におけるモラル・ハラスメント」の定義があります。これによると、「企業や施設の外部あるいは内部において、とりわけ言動、言辞、脅迫、行為、身振りおよび一方的な書きつけによって表現され、労働の遂行の際に、労働者の人格、尊厳もしくは肉体的あるいは心理的な統合性を損なうことを目的とする、またそのような効果をもたらし、その雇用を危険にさらし、もしくは威嚇的な、敵対的な、品位を貶める、屈辱的なあるいは攻撃的な環境をもたらすあらゆる性質の過度に繰り返される行為」と、法律でしっかり定義されています。この定義が全てあてはまるような職場だと、その職場は戦いの場所になってしまいます。無秩序の場所となってしまうかもしれません。

(つづく)

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