研修会開きました(ケアプラン部会:その2)

2014年2月14日|

明石先生が代表を務められている”Healing
forest“では、相談活動、講師活動、施設づくりのコンサルタントなどを行っており、大分県はもちろん、宮崎県内各地でも幅広く活躍中で、数多くの実績を残されています。詳しくはHealing forest –癒しの森-“のブログ(http://blog.goo.ne.jp/sun-moon-stone-8011)をご参照下さい。県内で近日開催予定のセミナーなども紹介されています。

 

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(↑5月頃には「自らの人生のリーダーになる」というワークショップも開催予定だそうです)

 

 明石先生が自己紹介の中で「『ソーシャルワークとは何か?』と聞かれた時、説明できないとプロではありません。傾聴共感受容などは、やっているつもりでも説明できないといけません。それを人に教える時に福祉の現場では『見て覚えろ』などと言って教えていますが、言って(説明して)、やれないといけません」と会場を見渡しながら話すと、受講者は自らをふり返りながら聞き入っていました。

 

【施設におけるケアマネジメントの意義】

 「これまでの施設ケアは業務優先。効率化と合理化が進められ、安全第一、ADL第一趣致でした」と話し始めた明石先生。そのような状況だと、「ケアプランはADL機能向上が第一位になります。また、安全第一の事故ゼロプランになります。利用者が立ち上がると最寄りの職員(”座らせるプロ”)が駆けつけて座らせるなど、『いかに落ち着かせるか』というプランになります。そして『現場にケアマネがいる』という人がいて勝手なことを始めます。そうするとケアマネージャーは何のためにケアプランを立てているのかわからなくなります」と指摘しました。

 これに対して本来の施設ケアは(1)利用者のQOLの向上、(2)ノーマライゼーションの実践、(3)自己決定の支援、(4)根拠に基づいたケア・・・の4つを挙げ、この中で「(3)自己決定の支援」について、「あるグループホームで、おやつの時間に若い女子職員がお茶を入れていたのですが、そのホームにどんな飲み物があるか出してみると、コーヒーや紅茶、レモンティーなどが出てきました。それを利用者に見せて『何が飲みたいですか?』と聞いて、好きな飲み物を提供しました。つまり”選択肢を提供する”という技術を用いたのです。このように、限りなく自己決定を支援していくのが私達の仕事です」と事例を紹介しました。

 また、「(4)根拠に基づいてケア」に関しても施設の壁に放尿をされる利用者の事例を取り上げ、「会議を開いて『放尿をやめさせよう』と、鳥居の絵を貼ったり、カエルのぬいぐるみを置いたりしたけどだめでした。そこで『根拠に基づいて話し合おう』とやり方を変えたところ、夜に部屋のライトがその壁の部分に当たって白く浮き上がっていたことがわかったのです。その利用者は、そこがトイレだと思って放尿していたわけです」と説明すると、受講者は納得の表情で聞き入っていました。

 これらを踏まえ明石先生は、「ケアプランはいかに人間らしい、その人らしい生活や人生を送ってもらうことができるか?また、いかに利用者に喜んでもらうことができるか?笑顔が導き出せるか?が重要です」と述べ、「利用者が施設生活の中でいかに喜びを得ながら、活き活きと生活できるのか。そしていかに人間らしく、自分らしく生き続けるのか。そのことを具体的な支援として言語化したものを作り出すのが施設ケアマネージャーです」と断言。さらに「この言語化したものを作り出すのが施設ケアマネージャーの存在意義であり、それをスタッフみんなが実践してくれたことにより効果が出たとき喜びになるのです。書類が出来上がった時や、印鑑をまとめて押してもらった時が喜びではありません」と念を押しました。

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(つづく)

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