研修会開きました(ケアプラン部会:その3)

2014年2月17日|

【ケアマネジメントとは】

 「ケアマネジメントとは、ケアを通して利用者さんが自らの生活・人生・生命を人間らしく、自分らしく生きることを実現するために行う、人事、サービス、コミュニケーション、リスク等における総合的、効果的なスキルです」と明石先生。車が坂道を上っている図を示しながら、「車を運転しているのは利用者さん、目標地点は人間の尊厳。しかし(上り坂なので)阻害され、自分の力で維持できなくなります。そこでケアマネジメントが必要になります。施設ケアマネージャーは『施設における利用者さんの、生活・人生・生活の質を高めるためにケアを運営・管理するプロフェッショナル(専門職)』です。みなさんがいないと成り立たないのです」と、ケアマネジメントを実践する上で施設ケアマネージャーの存在が不可欠であることを強調しました。

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 また、ケアマネジメントを行う中で、多くの施設ケアマネージャーが医療と福祉のはざまで悩みを抱えている事に触れ、「”看護と福祉とどちらが上か?”という話があるが、専門性が違うだけであって上とか下とかというものではありません。専門性が違うだけです。つまり、医療が支えるのは『生存』、そして福祉が支えるのは『生活』で、2つとも必要なのです」と、それぞれの専門性を活かした発想の転換を呼びかけました。そして「大好物のアンパンが食べたい」と訴える糖尿病のある利用者のケアマネジメントを例に挙げ、「『なんでアンパンなんか食べたの!』と叱られたのでは生活の質は高まりません。福祉の発想から『どうしたらアンパンを4分の1個食べられるだろうか?』と考え、そしてそれに基づくケアを行い、実際にアンパンが食べられたらその人の生活の質は上がります」と説明すると、受講者達は身を乗り出して聞き入っていました。

 

【ロールプレイで本来の施設ケア学ぶ】

 続いて受講者はあらかじめ分けられていた9つのグループごとにロールプレイを行いました。「脳梗塞による左片麻痺の入所利用者Aさん」という事例に基づき、Aさんとその子供、ケアマネージャー、そして施設職員の4人の役にそれぞれなりきった受講者達は、新たなケアプランを立てるための話し合いを行いました。ケアマネージャー役の受講者はAさん本人および子供の要望を聴き、施設職員とその要望を実現するためにはどのような事ができるかを協議。施設側としてAさんの要望を実現するためのケアプランを作成し、それをAさんらに伝え、Aさんらがその内容についてイエス・ノーの反応を示すという一連の流れを実践する中で、利用者が人間らしく、その人らしく生きることができるための聴き取りのポイントやプランの立て方、説明方法等について学んでいきました。

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「ケアプランは本来楽しいものです。利用者さんとわいわい話ながら、どうしたらその人が人間らしく、楽しく生きていけるか?それを考えながら作れば楽しいものなのです」との明石先生の言葉に、それまでの考えを改めるようにうなずく受講者の姿も見られました。

(つづく)

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