感染症対策学びました(看護介護部会:その2)

2014年11月4日|

 研修はまず、最近の院内感染の事例紹介から始まり、結核や感染性胃腸炎、多剤耐性緑膿菌、セラチア、多剤耐性アシネトバクターなど、県内外における患者と職員が集団感染し、死亡者も出た事例などを示した西田先生。その中で療養型病院において患者と職員が集団発生した感染性胃腸炎のスライドを示しながら、「感染性胃腸炎は毎年流行しますので、発生することはあります。発生させない努力も必要ですが、発生してしまった時の対応の方が実は大事です。発生はしても封じ込めができるということがポイントです」、「(療養型病院では)自力で動ける患者は少ないはずです。ということは、職員が媒介ということになります」、「初動が一番大事です。この事例では最初の患者(初発患者)が出て34日後に急に増え、終息までに1か月程度かかりました」と話し出すと、会場には緊張した空気が漂い始めました。

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 医療法施行規則(第1条の11)には(イ)院内感染対策のための指針の策定、(ロ)院内感染対策のための委員会の開催、(ハ)従業者に対する院内感染対策のための研修の実施、(ニ)当該病院等における感染症の発生状況の報告その他の院内感染対策の推進を目的とした改善のための方策の実施・・・などを記した院内感染対策が定められていることを紹介し。その中で院内感染対策研修については、「チームで行うことが大事です。1人のミスがみんなのミスにつながります。研修はいろいろな知識を見直す良いチャンスです。皆さん忙しいでしょうが、定期的に行うことが感染対策への意識を向上する上で大事です。新人が入ってくる4月、そして感染症のシーズンに入る前に行うと理想的ではないでしょうか。そして『どういう研修をやったか』ということをファイリングしておくと、振り返りの資料になります」とその必要性を強調しました。

 また感染症の発生状況報告に関して、「発生自体はどうしても不可抗力というところがあります。発生してしまったとしても、その後の対応が大事です。『報告しておこられる』という問題ではありません。保健所としても重大な事象は報告してもらって、アドバイスができればいいと思います。保健所も一緒に対策を考えていきたいと考えていますので、気軽に相談してください」と呼びかけました。

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(つづく)

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