感染症対策学びました(看護介護部会:その3)

2014年11月5日|

 感染対策マニュアルについて「定期的な見直しが必要です。マニュアルはあるけど古くなってしまっていると、『何のためのマニュアルか?』となります。皆さんも施設に帰ったら、定期的に見直されているかチェックをしてください。そしてそのマニュアルがどういったものか、その内容を皆で共有して下さい。”絵に描いた餅”ではいけません。一連の具体的な手順がないと新人はわからないし、何かあったときに指針がないと船は沈みます。もちろんそれが間違っていてはおおごとです」と警鐘を鳴らした西田先生。会員老健施設や特養などからの受講者96人を前に、「高齢者施設における感染症リスク」として次の6項目をスライドに示しました。

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(1)毎日長時間の集団生活、レクなど濃厚な接触も

(2)マスクや手洗いが十分にできない人も

(3)感染症にかかりやすい(免疫が弱い)

(4)重症化しやすい(誤嚥のリスクも)

(5)脱水をおこしやすい(成人と比較して体内の水分保持能が低下)

(6)結核の既感染者が多い

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 「皆さんの施設にはどのようなリスクがあるでしょうか?」と満席の会場を見渡しながら尋ねた上で、「病原体によって潜伏期間が異なりますが、感染してから病状が出るまで時間がかかりますし、症状がおさまっても、インフルエンザやノロウイルスなど、ウイルスを排出していることがあります。また『不顕性感染』といって、感染していても症状がでないことがあり、これが感染症の難しさです」と注意を促しました。

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 そして感染症対策の基本として、「微生物は無限に存在します。無菌の環境はあり得ません」前置きし、「その中で健常者や大人においては問題とならない病原体でも、免疫が弱くなった高齢者では感染すると発病しやすくなります。それでは高齢者を感染症から守るためにはどうすればよいでしょうか?」と、今回の研修会のメインテーマである「施設における感染症対策」について説明を始めました。

(つづく)

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