研修会開きました(リハ部会:その2)
つづいて、黒木勝久さんの講演は、在宅強化型老健であるサンヒルきよたけの取り組み状況に移りました。以前は従来型老健だった同施設。「リスクを冒すよりは長く満床で入所してもらった方がベッドコントロールがしやすくセーフティー」と、在宅復帰に向けて積極的ではなかったとのこと。しかし24年度の改定で基本報酬が下がり、必要に駆られて平成24年1月から在宅復帰に取り組み始めたそうです。それから半年後の同年7月に在宅支援加算型老健、それからさらに1年かけて平成25年7月に強化型を算定できるようになりました。しかしベッド回転率が落ちたため同年8月、9月は一旦加算型となったものの、10月から現在に至るまで、ずっと強化型での算定を続けているとのことでした。
かつては10パーセント台だった同施設の在宅復帰率は、平成26年12月時点で53.8パーセントにまで上昇。ベッドの回転率は10.8パーセントで、利用率も96パーセントを維持しているそうです。
また入所の内訳としては自宅からの入所が増加。さらに相談指導員が営業に駆け回ったことにより、協力病院以外の医療機関からの入所も増えてきました。一方、かつては病院への入院が多かった退所先内訳ですが、現在は半数以上が自宅。入院が減った理由として関し黒木さんは「在宅復帰率を高めるため、看護・介護が中心となって利用者の異常の早期発見に努めているから」と胸を張りました。
そして入所後、早期かつ集中的にリハビリを行うことにより利用者の在宅復帰を目指す短期集中リハビリテーション。平成22年度までは400件台だったのが、同24年度以降は2,000件以上と、5倍以上に増加している事がスライドに示されると、参加したセラピスト達は、リハビリテーションを通じて利用者の在宅復帰を目指す老健施設の使命の重要性を再確認していました。