研修会開きました(リハ部会:その3)

2015年2月2日|

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 続いて黒木さんは「老健施設の往復型利用による在宅生活の継続」というスライドを示しました。これは第105回社会保障審議会介護給付費分科会(平成2687日)の資料からの抜粋で。訪問リハや通所リハ、短期入所などを利用しながら要介護者の在宅生活を支援し、その生活機能が低下した際に老健に入所。リハビリで生活機能を向上させて再び在宅復帰する、という往復を繰り返す「復帰型」としての老健の機能を説明したもので、2004年に高齢者リハビリテーション研究会がその重要性を指摘していたものです。

 これを踏まえて同分科会からの資料として「老健施設の在宅支援の結果としての看取り」というスライドが示されました。これは上述の通り、復帰型としての老健の機能を果たしながら高齢者の在宅生活を長年支援していくうち、加齢などにより徐々に生活機能が低下し、最終的には看取りケアに至るということを図示したものです。これを踏まえた上で黒木さんは「在宅から老健に入所して、機能を回復して在宅に戻る、ということ繰り返す中で、『前回在宅復帰した時よりも、今回は具体的にこれだけ生活機能が低下している』という事を、セラピストの皆さんに根拠を示して本人や家族に明確にして欲しいと思います」と、看取りまで見据えた老健の往復型利用を通じて、高齢者を最期まで支援するためには、リハ専門職による利用者の正確な評価と適切なアドバイスが重要だと訴えました。

 また、「日本理学療法士協会、日本作業療法士会、日本言語聴覚士協会のいずれの団体も、その倫理規定の中で他の関連職種との協力の重要性を明記しています。老健施設のキーマンとして、是非とも協力をしてほしいと思います」と訴えました。

そして90歳台後半で、家族から看取りの同意までもらっていた利用者が、「平行棒では立てないが、トイレでは立てる」というセラピストの判断に基づきケアを実践した結果、介助を受けながらトイレでの排泄ができるようになった自施設での事例を紹介し、講義を締めくくった黒木さん。それぞれの施設における自らの役割の重要性を再認識した参加者からは感謝の拍手がおくられました。

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(つづく)

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