糖尿病の食事療法学びました(栄養給食部会:その2)

2015年3月2日|

 (公社)宮崎県老人保健施設協会栄養・給食研究部会が218日、宮崎市のニューウェルシティー開いた研修会。午後からは「糖尿病の食事療法 ?最近の私の考え方?」と題した講演がありました。講師には独立行政法人地域医療機能推進機構
宮崎江南病院の副院長、松尾剛志先生にお越し頂きました。

IMG_9646.JPG

 多尿が症状の一つであることから、紀元前16世紀から2世紀にかけては「腎臓・膀胱の病気」と考えられていた糖尿病。19世紀から20世紀になるとインスリンの分泌が障害される「膵臓の病気」と考えられるように。しかし「インスリン値が高い人も糖尿病になっている。おかしい」ということから、インスリンがききにくい「インスリン抵抗性」が注目され、骨格筋が問題になっている現状を踏まえ、「糖尿病はインスリン作用不足に基づく慢性の高血糖を主徴とする代謝症候群である」ということから講演は始まりました。

「日本人のインスリン分泌能は、欧米人の2分の1しかないため、もともと糖尿病になりやすい」、「インスリン抵抗性は環境因子が大きく、1番のリスクは肥満。欧米人で糖尿病はものすごく太った人しかいないのに比べ、日本人はちょっと太っただけでも糖尿病になる」、「日本人はもともと糖尿病になりやすい傾向が遺伝的にある。だから体重を増やさないように気をつける必要がある」など、日本人が糖尿病になるリスクの高さを指摘した松尾先生。糖尿病の食事療法のポイントとして、(1)食事療法は、すべての糖尿病患者において、治療の基本であり、出発点である。(2)個々人の生活習慣を慎重した個別対応の食事療法が、スムーズな治療開始と持続のために必要であり、そのためには食生活の内容をはじめ、食事の嗜好や時間などの食習慣や身体活動量などをまず十分に聴取する。(3)はじめに行うことは、摂取エネルギーの決定。それから糖質、脂質、たんぱく質など摂取成分量を決めていく・・・の3つをスライドに示して説明すると、参加者は真剣な表情で聞き入っていました。

(つづく)

« 前のページに戻る

TOPへ