研修会開きました(看護介護部会:その2)

2013年5月28日|

  研修会の講師は社会医療法人同心会 古賀総合病院臨床検査部長で感染制御室長の南嶋洋一先生。南嶋先生は宮崎医科大学(現宮崎大学医学部)副学長や、九州保健福祉大学学長などを歴任された、微生物学の第一人者です。

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(↑南嶋先生。よく通る声でわかりやすくお話して下さいました)

 スクリーンに映し出されたタイトルは「高齢者施設における感染制御」。この「感染制御(Infection Prevention and Control)」とは、「感染症の発生を未然に防ぎ、発症した感染症を制圧すること」とのこと。感染症を未然に防ぐことは感染症の危険管理(risk management)であり、発生した感染症をどう封じ込めるか、ということは感染症の危機管理(crisis management)。このことを踏まえ南嶋先生は、「起こることは起こる。そう簡単に予防できるものではありません。(予防に加え)起こったあとにどう封じ込めるか?という2つの概念が『感染制御』にはあります」と切り出し、感染制御の重要性を強調しました。

 医療と介護の垣根がなくなってきた事もあり、従来「院内感染(症)」と言っていたのは「病院感染(症)」となり、さらに今日は国際的に「医療関連感染(症)」(Healthcare-associated infectionHAI)と言うようになったそうです。この「医療関連感染症」の定義は「病院における入院患者が、原疾患とは別に、新たに罹患した感染症、または医療従事者が院内において罹患した感染症」。入院後48時間以降、あるいは退院後48時間以内の発症で、外因性感染(感染源は患者・医療従事者および器物・環境)と内因性感染(感染源は自己)があると前置きし、「特に医療従事者および器物や環境による交差感染と環境感染を避けて下さい」と、会場を埋め尽くした参加者達に呼びかけました。

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(↑もうすこしで立ち見になるのでは?と心配するほどたくさんの参加者でした)

(つづく)

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