研修会開きました(看護介護部会:その3)

2013年5月29日|

  「高齢者施設は、感染に対する抵抗力が弱い高齢者が集団で生活する場。このため、感染が広がりやすい状況にあることを認識して」と南嶋先生。そして「感染自体を完全になくすことはまず不可能なので、感染の被害を最小限にすることが重要」と前置きし、感染対策は「病原体の(1)持ち込み防止、(2)感染予防、(3)拡散防止(封じ込め)」とポイントを示しました。

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 その一方で、高齢者の感染症は症状が非典型的で、炎症反応が減弱しているため、(1)感染症が気づかれない、(2)感染者の早期発見と病原体の伝播予防が困難、(3)検査室がなく、医師が常在していなければ、感染症の迅速な診断と治療が困難・・・などの特徴があり、高齢者施設における感染制御が容易でないと指摘。その上で「感染制御の基本は標準予防策の順守。感染症の有無にかかわらず、誰にでも、いつでも、どこででも、手指衛生(手洗い・手指消毒)、手袋の着脱、ガウン着用、咳エチケットなどを実践しましょう」と呼びかけました。

 また、感染症は「感染源(病原体の存在)」、「感染経路(病原体の伝播経路)」、「感受性宿主(病原体に対して免疫がない宿主)」の3つの要因がすべて揃った場合にのみ成立することから、「感染症を予防するには、この3つの成立要因のうちの、少なくともどれか1つを排除すればいいのです」と説明すると、参加者はそれぞれの施設における取組状況を振り返りながら聞き入っていました。

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(つづく)

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