研修会開きました(ケアプラン部会:その4)

2014年2月18日|

【ケアマネジメントを定着させるケアマネージャー】

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 明石先生による研修も終盤になりました。「ケアプランは利用者さんの要望をもとに、楽しく生きていただくために作っていることを意識して下さい。ADL(日常生活活動)ももちろん大事ですが、それだけではなく、自尊の欲求や自己実現の欲求もあり、そこがかなわないと生理的欲求が満たされないという人もいます。ケアマネージャーをやっていて、「あなたと出会えてよかった」と言われることもあるでしょうが、それは結果論であって、求めてはいけません。根拠のあるケアプランを作り、根拠に基づくチームを作り、ケアを実践し、それで生活の質が上がればそれが本当の喜びです。このように根拠に基づくものを浸透させていくのがケアマネージャーです」と前置きし、ケアマネジメントを定着させるケアマネージャーに求められるものとして、次の8項目を示しました。

 

(1)利用者お一人お一人の個別性の把握(アセスメントの活用・更新)

・・・「誕生日に好きな食べ物を提供する」などアセスメントを盛り込むこと。アセスメントがケアプランの根拠になるものであり、アセスメントをとったら満足、ではだめ。また家族関係などいろいろな事が変わっている場合もあり、更新をしていくこと。

(2)組織のケアの状態の把握(利用者本位はどこまで実践できているか)

・・・施設をただの箱にしてはいけない。「あなたを信じて入所したのに、現場は違う」ということのないように。

(3)職員へのケアプランの浸透(ケアマネジメントの実践→現場のケアマネを作らない)

・・・トップリーダーの方針を末端まで浸透させるのがマネージャーの役割。

(4)チーム・ワークによる個別ケアの統一化

・・・チームができるためには目標地点を明確にすることが条件。高校野球における「甲子園優勝」のように、目指すところをはっきりと示す。

(5)モニタリングとフィードバックの機能

・・・モニタリングを行い、かならずフィードバックをすること。現場に「やってみてどうだったか?」と聞きに行くことで現場もやっていけるし、フィードバックしないと「慣れているやり方、楽なやり方がやりやすい」とやらなくなってしまう。

(6)ケア会議の充実化

・・・生活の質の向上に重点を置いて行う。

(7)利用者の家族との話し合い、ケアプランの確認、モニタリングの報告

・・・ケアプランをちゃんと実践した結果がどうだったかを家族に示していないと、「おたくのケアではだめだ」と言われることもあり得る。家族に伝えるとともに、職員にも伝えることがケアマネの役割であり、そのことにより職員もやる気が出てくる。

(8)根拠に基づいたケアの実践の推進

・・・根拠に基づいたケアを実践することでケアワークの専門性も向上する。

 

【最後に】:『活き活きとした生活』を支える専門職として・・・

 講義あり、グループワークありと、内容盛りだくさんも終わりを迎えました。明石先生は受講者を見渡しながら「どうぞ皆さん、専門性を取り戻して下さい。発揮して下さい。そうすると利用者本位のケアは実現します。利用者本位を実現する条件は3つあります。1つめはこの専門性を発揮することです。2つめ、利用者本位はみなさんの根拠に基づく創意工夫によって実現します。3つめ、「利用者本位はどうやったら実現するか?」を考え続ければ実現します。できないこと探しはだめです。できること探しを続けて下さい。みなさんどうぞいいリーダーになりましょう」と呼びかけると、会場からは惜しみない拍手が贈られました。

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(おわり)

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