ターミナルケア学びました(看護介護部会:その3)

2014年3月6日|

緩和医療やターミナルケアを行う上で大事なことは「人が暮らす、人が生きるということを支えることです。これは皆さんも一緒だと思います。病気のある人が、病気を持ちながらどうやって生きて行けるか?を考え、支えることが大事です」と林先生。その中で「家庭の平和を守ることだけでも大変です。数年来行き来していない家族がいたり、連絡がない家族がいたりする場合もあります。そういう家族達が和解したいとか、今のうちに仲直りしたい、という気持ちがあれば、その仲介役ができればいいと思います」と、患者の病気そのものではなく、病気をもっている一人の人間およびその家族を支えていく事の大切さを説きました。

またこれに関して、「緩和医療は痛みを取るのが目的ではなく、痛みが障害になっている普段の暮らし、そしてその人が求める暮らしを取り戻すのが目的です」と前置きし、こんなたとえ話を交えて説明しました。

「ある患者さんが痛みを取ってほしいと来院されたとします。入院して検査をして治療していたとします、ところが、その患者さんの痛みを取る目的は『週末に行われる孫の結婚式に出たい。その式場で2時間座っていたい。そのために痛みを取って欲しい』というものだったのです。それを知らずに痛みを取ることだけを目的にした入院が週末も続いた結果、結婚式に出られなかったとなれば、何のために入院していたかわかりません。本末転倒ですね」・・・。納得する受講者一同に林先生は「痛みをとるだけではありません。患者さんが『辛い』とおっしゃるときは、なぜそれが問題なのか?何が生活の支障になっているのか?などを考えなくてはならないといつも考えていますし、それが私たちの使命です。患者の要望を聞いて、それをかなえることが大事です」と付け加えました。

これに続き、や高齢者の緩和ケアについて国際的な取り組み状況や胃瘻(いろう)とQOL(生活の質)との関係、急変時の対応、肺炎と脱水の治療について学びました。

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(つづく)

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