研修会開きました(看護介護部会:その4)

2013年5月30日|

 南嶋先生の講義は肺炎の話題に移りました。日本における肺炎による死者は年間12万人を超え、死因の第3位になり、これは全死亡者の9.9%、つまり10人に1人に相当するそうです(2011年)。さらに加齢とともに肺炎での死亡率は急上昇するとのこと。

 それだけでなく、死因第1位のがんや第2位の心疾患の患者も末期には肺炎を併発しやすいと、その危険性を喚起しました。

 肺炎の分類は従来市中肺炎(CAP、病院外で生活していた人に発症した肺炎)と院内肺炎(HAP、入院48時間以降に新しく出現した肺炎)の2つでしたが、新しい分類として「医療・介護関連肺炎(NHAP)」が加わった事が説明されました。これは、(1)長期療養型病床群または介護施設に入所している、(2)90日以内に病院を退院した、(3)介護を必要とする高齢者・身障者、(4)通院にて継続的に血管内治療(透析、抗菌薬、化学療法、免疫抑制薬による治療)を受けている・・・のいずれかに当てはまる肺炎とのこと。

 私たち老健施設に勤める者にとって、非常に関係の深いこのNHAPの特徴は、「高齢者の重症肺炎であり、予後が不良であるとともに、薬剤耐性菌感染症であるため、難治性である」と説明。昨年度の介護報酬改定で肺炎等への対応が強化されたことにも触れながら、感染制御の重要性を訴えました。

 肺炎に続き、今年発生が急増している風疹や、中国で猛威をふるっている鳥インフルエンザ、そして中東を中心に広がっている新型コロナウイルス等について画像を交えながら説明がありました。さらに、食中毒や食品媒介感染症に関して、特にノロウイルスに重点を置き、その特徴や感染経路、汚染物の処理手順などについて説明が行われました。

IMG_3550.jpg


(つづく)

« 前のページに戻る

TOPへ