感染症対策学びました(看護介護部会:その4)

2014年11月6日|

 「施設における感染対策」に関して、まず感染予防の三原則として、「”感染源”、”感染経路”、そして”感受性者”の3つが揃わないと感染は成立しません」と、それぞれ感染源に対しては治療や隔離、感染経路には手洗いやマスク、感受性者には体調管理やワクチンなどの対応法をおさらいした西田先生。「個人のレベルで終わっている限りは特に問題ありません。何が問題かというと”感染経路”、つまり周りに広げるところが問題です。感染源であってもちゃんと治療すればいいし、感受性者でもちゃんと体調管理やワクチン接種で防げます」とし、感染経路の対策の重要性を強調しました。

 そして感染を未然に防ぐ対策の1つである衛生管理について、次の6項目を示しました。

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(1)適度な温度、湿度の管理

(2)冷暖房、加湿除湿器の定期的な清掃

(3)環境の清掃

(4)共用具の衛生管理

(5)ドアノブや手すり、スイッチなど不特定多数が頻回に触る場所はアルコール消毒を

(6)汚染が予想されるときは防護具(マスク、ディスポエプロンなど)を使用

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 ノロウイルスなど消化器疾患に多い接触(経口)感染、呼吸器疾患に多い飛沫感染、そして結核や麻疹、水痘などの空気(飛沫核)感染という3種類の感染経路について述べた西田先生。「空気感染の怖さというのはどういうものかというと、例えば僕が結核を発症したとしましょう。するとこの会場の1番後ろに座っている方にも感染のリスクがあるということです」と最後列を指さすと、96人の受講者で埋まった会場には緊張が走りました。これに続き「ところがインフルエンザだと前から23列までの人が危ないということになり、接触感染だと(触れなければ)安心だということになります」との説明に、受講者はメモを取るなどして聞き入っていました。

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 これらの感染経路対策の各論に入る前に、病原体の感染と伝播のリスクを減少するために行われる標準予防策(Standard precautions)の考え方(:全ての患者の血液、汗を除く体液、分泌物、排泄物、健常でない皮膚、粘膜は、感染性があるものとして対応すること)に言及した西田先生。接触(経口)感染への対策から説明を始めました。

(つづく)

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