改定対応セミナー開きました(事務長会・在宅支援部会:その3)

2014年11月27日|

 「今日は介護保険報酬改定の話をするわけですが、今の時期は微妙です。ただでさえ流動的なところに、衆議院の解散総選挙というさらに流動的な要素が加わってきて、実は確定したことは何もないというのが実際のところです。そのため、『こういう流れになるだろう』という話をします。したがって、大幅に予想がはずれる心配も若干しています」と話し始めた菊地雅洋先生。しかし、「ただ一つ確実に言えるのは、介護保険制度始まって以来の大改正です。そしてこの大改正は2階に上がった人のはしごを全部はずすという厳しい内容だと言わざるを得ません。今回の講演は『(介護保険制度改定に)どう対応する?』というタイトルがついていますが、僕が聞きたいくらいです」と続けると、会場には緊張が走りました。

 まず介護給付と保険料の推移に関するスライドを示しながら、介護保険制度の改正に関し、厚労省が最も重視しているのは「制度の持続性」であり、その一番の目安としているのが「保険料がいくらになるか」ということ。そして65歳以上の人口がピークとなる2015年に5000円を超えないことを目安にこれまで運営してきたこと。それによって団塊の世代が75歳となる2025年にはサービスの量を調整することで制度を維持させようと2003年に計画されたこと。そして2025年の段階で保険料が1万円になったらこの介護保険制度は持続が困難となり、なんとか8200円程度で抑えようと様々な給付抑制策になっていることなどを、その背景などを踏まえて学びました。

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 続いて「2015年介護保険制度は一括法処理」として(1)地域における医療および介護の総合的な確保を推進するための整備に関する法律案、(2)医療制度改革の流れの中での介護保険制度改革、(3)給付の重点化・効率化の流れの中での制度改革、(4)入院から、できるだけ早く家に戻ってもらうという流れが強化された医療制度改革の流れの中での、地域包括ケアシステム・・・の4項目を示しながら、「診療報酬は2年に1度の改正、介護報酬より1年サイクルが短い。すると何が起こるかというと、診療報酬の方が政府の意向を強く、そして早くくんで改正されていきます。ですから介護保険制度改正と報酬改定はその風下になります。風上にある診療報酬改正の動向を見ることによって、今後の介護保険の流れがわかるというのと、それに飲み込まれてしまうという部分があります。去年の診療報酬改定で何がおこったかというと、病床区分が変更され、入院期間を短くして在宅へ帰すという流れが強くなってきました。当然介護保険もその流れに沿って、在宅支援の部分は強化される、つまり報酬も厚くなり、そうじゃないところからは報酬を減らすいうことが行われていくわけです。また訪問診療の同一建物の減算の流れが介護保険にもくる可能性があります」などと具体例を出しながら説明がありました。

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