改定対応セミナー開きました(事務長会・在宅支援部会:その4)

2014年11月28日|

 また「在宅への流れが強化されます。退院支援のルールを全国で統一しようということで、各地でモデル事業をやっています。現在バラバラにやっている退院の送り状などの書式も統一化される方向でこれから具体化してくると思います」とのことでした。

 次に国が示している介護保険制度の改正案の主な内容をスライドに映しながら、「この中で注目して欲しいのは『特別養護老人ホームの新規入所を、原則、要介護3以上に限定する(既入所者は除く)』というところです。『これは特養の問題だから関係ない』という人が多いのではないかと思いますが、実はとんでもない話です。対象を要介護者3以上の人に限定しようという動きは、前回の改正で24時間対応の定期巡回サービスを作ろうとしたときの最初の報告書に『対象者は要介護3以上の人にしてはどうか』とはっきり書いてありました。しかし議論の中で『介護給付と予防給付しか分かれていない制度の中で、保険料を払っている人のサービスを使う権利を侵害するものだ』という意見が出て、制限はできませんでした。そのかわり、要介護12の人の報酬はとても低くなったという経緯があります。ところが特養でその制限をやったわけです。そうすると、特養で終わるという話ではありません。今後色々なサービスで『これは儲けすぎだな』となるとそうなるかもしれません。老健の場合は在宅へ帰すための施設ですからそうはならないでしょうが、訪問介護の生活援助は『軽介護者は除く』とか、『要介護3以上』ということになる可能性があるということです」と警鐘を鳴らしました。

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 続いて「僕が一番着目しているのはここです」と述べ、「低所得者の保険料軽減を拡充」の項目を指し示した上で、その説明のために準備したという「保険料の標準6段階から標準9段階への見直しの検討」というスライドを示しました。「今回保険料はどうしても5000円以上になるので、低所得者の方については保険料負担ができなくなる恐れがあります。そこで軽減率を高めたわけです。しかしこれを現在の『公費5、社会保険5』でやると、低所得者の軽減強化のために低所得じゃない人の保険料が更に上がるという矛盾が出てきて、この軽減部分については別枠で公費投入しようということですが、これは『公費5、社会保険5』という原則がくずれたのではないでしょうか。これはもしかしたら『やっぱり今の公費負担率では無理で、将来的には”公費6“とかになっていかないとこの制度はもたなくなる』という可能性を表していると思います。そうすると当然消費税10%で”公費6“というわけにはいきません。消費税15%とか20%という中で公費の比率を高めて制度を存続させていくという議論に将来的になっていく可能性がある措置だと思った方がいいです」とし、介護保険制度存続のために公費負担割合を増やすことが必要で、そのためには先頃見送りが発表されたばかりの消費税10%への引き上げが、今後さらに引き上げられる可能性を示唆しました。

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