感染予防対策学びました(看護・介護部会:その3)

2015年11月12日|

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【管理者として感染対策のために必要なこと】

(1)高齢者の特性、高齢者施設の特性、施設における感染症の特徴の理解、(2)感染症対策に対する正しい知識(予防、発生時の対応)の習得、(3)施設内活動の着実な示指(感染対策委員会の設置、指針とマニュアルの作成、職員等を対象とした研修の実施、設備整備など)、(4)関係機関との連携の推進(情報収集、発生時の行政への届出(※)など)、(5)職員の労務管理(職員の健康管理、職員が罹患した場合の人的環境整備など)

※関係機関との連携については保健所等の電話番号だけでなく担当者もマニュアルに記入しておくことでより迅速な対応ができ、的確な指導を仰ぐことができる。

【職員として感染対策のために必要なこと】

(1)高齢者の特性、高齢者施設の特性、施設における感染症の特徴の理解、(2)感染症対策に対する基本的な知識の習得と日常業務における実践(予防、発生時の対応、感染症についての正しい知識)、(3)自身の健康管理(感染源・媒介者にならないこと)

※特性をしっかり理解するとともに、標準予防策を着実に実行し自らが感染源にならないように。病気になったらしっかり休むことも重要。

【高齢者介護施設において、あらかじめ予防対策を検討しておくべき主な感染症】

〔?.入所者および職員にも感染が起こり、媒介者となりうる感染症〕

→インフルエンザ、感染性胃腸炎(ノロウイルス感染症等)、腸管出血性大腸菌感染症、結核、疥癬症

〔?.健康な人に感染を起こすことは少ないが、抵抗力の低下したヒトに発生する感染症〕

→メシチリン耐性黄色ブドウ球菌感染症(MRSA感染症)、薬剤耐性緑膿菌感染症、薬剤耐性アシネトバクター感染症

〔?.血液、体液を介して感染する感染症,基本的には集団感染に発展する可能性が少ない感染症〕

→肝炎(B型、C型)、HIV感染症など

インフルエンザワクチン接種など「絶対打たない、自然のままがいい」という人もいるが、感染症予防はみんなで協力してやらないと、広まってしまうリスクがある。ルール作りが必要。

【職業感染対策】

(1)針刺し事故時の感染率はHBV30%HCV3%HIV0.3%

(2)B型肝炎ワクチン接種・抗体検査

(3)注射針にリキャップしない!!

(4)注射針や鋭利器材は、耐貫通性の容器に!!

(5)安全器材を使用する

(6)鋭利器材を取り扱う際には、手袋をつける

(7)必要に応じて個人防護用具を着用する

【感染予防の三原則】

※※※「感染源の排除」、「感染経路の遮断」、「感受性者対策」3つ。感染症は感染源、感染経路、感受性者の3つが揃わないと発生しない。

〇感染源の排除→治療・隔離

〇感染経路の遮断→手洗い・マスク

〇感受性者対策→体調管理・ワクチン

【標準予防策 Standard precautions

※目的は「病原体の感染・伝播リスクを減少させる」

※全ての患者の「血液」、「汗を除く体液」、「分泌物」、「排泄物」、「健常でない皮膚」、「粘膜」は、感染性があるものとして対応すること!

【感染経路の種類と対策】

〔?.接触(経口)感染〕・・・主に消化器疾患

(1)接触によって体の表面に病原体が付着しただけでは感染は起こらない

(2)病原体の付着した手で口、鼻、眼をさわることによって病原体が侵入して感染

(3)接触感染対策によって最も重要である対策は「手洗い」(石けん+アルコール1押し3cc

厚生労働省手洗いポスター掲載していますのでご活用下さい

厚労省作成動画「ノロウイルス等の食中毒防止のための適切な手洗い」では、ブラックライトを用い、洗い残しがどれだけあるか?という実験が、正しい手洗いの仕方と合わせて紹介されていますのでご参照下さい。

(4)健康な皮膚は強固なバリアになるが、皮膚に傷がある場合や針刺し事故の際にはそこから侵入する可能性もあるので、手袋の着用を!

〔?.飛沫感染〕・・・主に呼吸器疾患

(1)感染している者から2メートル以上離れる

(2)感染者はしっかりとマスク装着

※咳エチケット:咳やくしゃみを人に向けて発しない、咳が出るときはマスクをする、咳やくしゃみが出そうになった場合はハンカチ、ティッシュ、タオル等で口を覆う、手で咳・くしゃみを受け止めた場合は手を洗う

※マスク着脱時の注意点:マスクと顔の隙間をなるべくなくす、(a)鼻のワイヤーを鼻に合わせて曲げる、(b)ほほとあごも覆う、(c)自分にあった大きさや形のマスクを選ぶ

→マスクは保温・保湿効果による喉や鼻の抵抗力の保持、また直接手が鼻や口へ触れるのを防ぐ接触感染予防効果もある。そして外す時には「外側は不潔である!」という意識で

〔?.空気感染(飛沫核感染)〕・・・結核、麻しん、水痘

(1)空気感染の感染範囲は部屋全体、空調が共通の部屋に及ぶ

(2)対策の基本は「発病者の隔離」「部屋の換気」

(3)医療従事者や面会者はN95マスクを着用、患者はサージカルマスクを着用

(4)結核は排菌している患者とある程度長時間空間を共有しないと感染しない

(5)麻しんや水痘は、短時間であっても感染する

(6)麻しん、水痘、乳幼児の重症結核への有効な対策は、事前のワクチン接種

(つづく)

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