研究発表の手法学びました(ケアプラン部会:その4)

2015年2月18日|

 問題意識(疑問)が明確になったら、次に行うのが「研究課題の明確化」。「日中の傾眠や夜間不眠がある。この利用者の生活リズムが調整できないか」という事例の場合、「なぜ傾眠や不眠になっているのか?」、「傾眠や夜間不眠の時、職員はどんな対応をとってきたのか?」、「どんな対応をとった時には夜よく眠ったのだろう?」、「生活リズムを調整する方法はなにかないか?」など、疑問を突き詰めてくるといろいろな切り口が出てくるので、それを吟味して、問題意識(疑問)の焦点をしぼっていくとのこと。

 そして、「その問題意識(疑問)を経験者や先輩に尋ねたり、文献を調べるなどして考えつくすべての方法で解いてみます」と小野先生。「研究という取り組みはとてもエネルギーがいります。しかし、既になされている研究などでその疑問が解けるなら、それを積極的に使っていけばいいわけです。経験者や先輩に尋ねたり、文献を調べた上で、『それでもうちの施設には合わない、実態に合わない』など、疑問の答が見つからない場合は研究に着手していきます」と続けました。

 なお、文献を調べて検討する目的には(1)研究課題のアイデアを得たり、問題の焦点を絞り込む時の参考にする、(2)先行研究ではすでにどれくらいの知識が集積されているかを確認して、自己の研究課題の意義を明らかにする時の参考にする、(3)先行研究からその課題に取り組むための研究方法についての示唆を得る、(4)他者の研究結果と照らし合わせ、研究結果の解釈を深める・・・の4つがあるとのことでした。

 次のステップは「研究課題の吟味」。その内容は次の通り。

〇研究する価値があるかどうか→実践の向上に役立つか?

〇研究が可能なテーマであるか→観察や測定が可能か?

〇期限内に結果が出せるか→テーマの絞り込み、研究の限界を見通し、次の研究につなげる。

〇費用や設備、物品に問題はないか

〇研究対象や協力者の了解が得られるか→倫理的配慮

 この中で?の「倫理的配慮」については、「今はとても大切になっています」として「研究対象者の権利」として、「危害を加えられない権利」、「全面的な情報開示を受ける権利」、「自己決定の権利」、「プライバシー及び匿名性、秘密が保護される権利」を挙げ、「施設において倫理的配慮の承認が必要です。不備がある場合には研究できないし、発表もできません」と注意を促しました。

IMG_9428.JPG

(つづく)

« 前のページに戻る

TOPへ