転倒予防学びました(リハ部会:その4)

2015年7月31日|

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事例(4)「座位状態から、利用者様は床にあるものを取ろうとしています。」事故内容として、床にあるものを取ろうとして前方に倒れました。事故理由として、なぜ、床に落ちているものを取ろうとして前方に倒れたのでしょうか?

 

職員Aさんの対応として、「危ないので床にある物は拾わないで下さい。床に物が落ちたときは呼んで下さい。」

 

職員Bさんの対応として、「また、自分で拾うのではないでしょうか?その都度呼ぶのでしょうか?実際に呼んですぐにこれるかな?と考えが広がり、まず、床に落ちた物を安全に拾える方法はあるかな?なぜ、前方に倒れたのかな?他のみんなにも相談してみようかな?」と建設的に考えます。

 

職員AさんBさんの対応の違いはなんでしょうか?しないさせない対策なのか、できるように、させてみる対策なのか、プロフェッショナルとはどういう所に知恵をだすでしょうか?可能性を見出す対策も必要なのではないでしょうか?

 

単に「ささえる杖」だけではなく、「考える杖」になることも必要ではないでしょうか。

チャレンジして失敗を恐れるよりも、何もしないことを恐れろ!(本田宗一郎の言葉)みんなで知恵を出し考えていくことが大事だと思います。

 

その他として・・

「ブレーキの掛け忘れ」があり、ブレーキの指導を行っているが、認知症だったり学習効果が困難である場合にどうするのか?いろいろブレーキに工夫を行っているが、それでも転倒を繰り返す時にはどうするのか?もう見守りしていくしかないのでしょうか?

 

なんと、車椅子から立つ際にブレーキが自動的にかかる車椅子があるんですとの事。また、車椅子に座るとブレーキが解除されるシステムになっています。

もちろん、このような車椅子を使用していても立ち座り時の確認は必要で、ブレーキがしっかりかかっているのかなど必ず動作確認をすることが大切です。

 

ブレーキ忘れの方はフットサポートも忘れる方が多いような気がします。フットサポートが自動で上がるというものはさすがに思いつきませんが、フットサポートがそのままで跳ね上げせずそのまま立ち上がると転倒リスクが高くなります。

では、片方だけ取ってみてはどうでしょう?左右どちらを取るかは考えないといけませんが、「移乗をする側を取ってみる」ことでリスクが軽減されることもあります。

 

また、ベッド柵下付近に杖が倒れていて、それを取ろうとしている場面もみかける時があります。(ベッドに行った時杖を策に立て掛けていたが床に倒れている)転倒のリスクがある場面です。介護者はそれをみてどう思うかではないでしょうか?「あらあら、杖が倒れているわ」で終わらせるのかです。なぜ、杖が倒れているのかを考えることです。杖かけがないからなど理由があるはずです。倒れた杖をみて何を思うかですよとの事。それで、転倒事故など未然に防ぐ事ができる場面もあるのではないでしょうか。

 

事故対策として、見守りでいきましょうとか、明日は気をつけていきましょうとかいう言葉ではなくて、その前に何が考えられるかです。例えば、移乗時足乗せにくるぶしがあたって剥離したとします。明日から気をつけていきましょう・・・ではなくて、車椅子の足が開くもの、取れるものに変えて様子をみましょうとか、無ければ買ってもらうなり施設側に相談したりして具体的なことを考えていきましょうとゆっくりした口調の中に、介護について、高齢者の生活について私たちはどうあるべきなのかと熱く語られ、皆さん終始聞き入っていました。

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(つづく)

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