研修会開きました(リハ部会:その5)

2015年2月4日|

 続いて櫛橋先生は介護保険制度の現状と今後について説明。高齢者人口が増加する一方で、生産年齢人口が減少しており、2025年には75歳以上の高齢者が急増。高齢者の生活を2人余りでみなければならないという財政的な問題もさることながら、「それよりもっと問題なのが介護をする人がいないということ。介護の現場で働く人達がいないために100人入れる施設が80人しか受け入れられないという事になってしまいます。あふれた高齢者は入るところがなく『介護難民』として自宅で待機することで、共働きをしていた奥さんが働けなくなるという事態も起きてしまいます」と述べ、介護職の労働環境の整備と社会的地位の向上の重要性を強調しました。

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 また介護保険制度が施行された2000年と2012年を比較し、12年で65歳以上の被保険者が38パーセント、要介護者が144パーセント、要介護(要支援)認定の申請件数が94パーセントそれぞれ増加していることをスライドに提示。さらにサービス受給者数は全体で199パーセント増加し、そのうち特に居宅サービスは238パーセントと大きな伸びを示していることを指摘し、現在取り組みが進められている地域包括ケアシステムについて、「成功しないと介護保険は崩壊する」と警鐘を鳴らしました。

これに関してはさらに、

(1)要介護認定者数が平成254月現在564万人で、この13年で約2.59倍に増加。このうち軽度の認定者数の増加が大きく、また近年は増加のペースが再び拡大している

(2)75歳以上高齢者の全人口に占める割合は増加していき、2055年には25パーセントを超える見込み。そして65歳以上高齢者のうち、認知症高齢者が増加することや、世帯主が65歳以上の世帯のうち、単独世帯や夫婦のみの世帯が増加する。首都圏を初めとする都市部では、今後急速に高齢化が進む

(3)現在約9兆円の介護費用は、2025年には約21兆円に増える

・・・などの見通しについて、詳細なデータを用いて説明があり、参加者は真剣な表情で聞き入っていました。

(つづく)

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