研修会開きました(リハ部会:その6)
介護老人保健施設の現状については、次のようなことを学びました。
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(1)全国の老健は平成25年現在3,994施設、利用者数は34万8千人
(2)要介護4および5の入所者割合は増加傾向にある
(3)平成22年度の退所者の状況を見ると、医療機関への入院が48.9パーセントと最も多く、家庭への復帰は23.8パーセントにとどまっている(※1)
(4)退所後の行き先の推移をみると、平成19年9月の時点において、医療機関45.3パーセント、家庭31.0パーセントだったのに対し、平成22年9月では医療機関が48.9パーセントに増加する一方で、家庭への復帰が23.8パーセントと減少している(※2)
(5)老健施設の在所日数の中央値は全体で358日。中央値が2年以上の施設は1割程度(※3)
(6)定員に占める退所者の状況をみると、「退所した者の施設定員に占める割合が、一月あたり10パーセント未満」である施設が約7割を占めていた(※3)
(7)定員に占める自宅復帰の状況をみると、「自宅へ退所した者の施設定員に占める割合が、一月あたり3パーセント未満」である施設が約8割を占めた(※3)
(8)「退所者に占める自宅への退所者の割合」が30パーセント以上50パーセント未満の施設は全体の16パーセント、50パーセント以上の施設は8パーセントを占めた。一方、「自宅への退所者が0人」の施設は全体の19パーセントを占めた(※3)
〈※1〉出典:厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査」(平成22年度)
〈※2〉出典:厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査」(平成19年度、平成22年度)
〈※3〉出典:「介護サービス情報公開制度」(平成21年度)より老人保健課調べ
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以上を踏まえ、櫛橋先生は「問題は在宅復帰率」と断言。「在宅復帰率の格差が激しい。つまり在宅復帰に向けて一生懸命やっているところと、そうじゃないところがあるのが現状です。経営者が老健の存在意義をどう考えるかが問われており、『地域のための老健』という理念をもってやっていかなければなりません」と、施設を上げて入所者の在宅復帰を支援するために、トップの意識改革が必要だと訴えました。