身体拘束66パーセント

2016年7月12日|

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 「高齢者身体拘束66パーセント」という見出しが、629日の宮崎日日新聞に大きくのっていたのをご覧になった方も多いのではないかと思います。全日本病院協会が厚生労働省作成の高齢者に関する「身体拘束ゼロへの手引き」の達成状況を調査した結果、回答があった683の病院や介護施設のうち、身体拘束の原則禁止として例示された11行為の「いずれかを行うことがある」と答えたところが以下の通りの結果だったそうです(カッコ内は回答数)。

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(1)病院・介護施設合計(683)66パーセント

(2)一般病棟(77)      :94パーセント

(3)老人保健施設(73)    :47パーセント

(4)特別養護老人ホーム(75) 33パーセント

(5)地域包括ケア病棟(70)  :99パーセント

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 この結果をみて「老健施設はあまり身体拘束をやっていない」などと考えるわけにはいきません。むしろ回答があったうち半数近くの施設が拘束を行っているというのは深刻な事態だと言えます。「身体拘束を受けることで気力が失われ、症状が悪化する恐れもある」という同協会関係者のコメントが紹介されていましたが、まさにその通りだと思います。利用者の在宅復帰、在宅生活を支援し、利用者が家庭や地域における役割を再獲得し、社会参加を続けられるよう援助を行っていくべき老健施設において、身体拘束はこれと完全に相反する行為ではないでしょうか。

 今回の調査結果は全国すべての老健施設の状況が反映されているものではありませんが、それぞれの施設におけるこれまでの身体拘束ゼロへの取り組み振り返り、これまで以上に強化徹底していく一助となればと思います。

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