「高齢者施設での看取り」学びました(看・介部会:その9)

2015年5月28日|

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 「”病気や障害を持っていても、その人らしい尊厳性を保持しつつ、生活者として普通に暮らすことを支える医療と介護”の連携のあり方」について市原代表は「看取りケアをするのに介護だけでは無理で、医療が必要です。医者でなければ死亡診断はできませんよね。死亡診断をきちんとつけてもらうためにも医療は必要です」と参加者に語り始めました。   

さらに「doing being」というスライドを示し、次のように説明しました。

 「フォーマルサービスに医療保険、介護保険がありますが、生活を支えるのにはそれだけでは足りません。インフォーマルサポート、つまり家族に代わっての生活支援が必要です。”doing“というのは、ケアをすると介護報酬があり、医療を施すと報酬があるというように、やったことへの対価があります。それが”doing“です。今の日本の社会は全部”doing“になっています。『これだけお金を払ったら、これだけのことをしてくれますか?』という感覚が一般の人に強いわけです。でも本来、その人が家にいるときには”doing“じゃないですよね。お母さんが作ったご飯を食べたから『はい、いくら下さい』という家はないと思います。”一緒にそこに暮らす”ということがやはり”暮らしを支える”ということの中心にあると思います。これは”being“の世界です」。

 そして、かあさんの家を中心として、主治医(在宅療養支援診療所)、訪問歯科、がん専門病棟などの医療機関、ケアマネージャー、介護ヘルパfsー、デイサービス・デイケア、訪問看護、訪問リハビリ、訪問入浴、福祉用具などのフォーマルサービス(医療保険、介護保険)と、かあさんの家スタッフ(介護ヘルパー)、家族会、音楽療法、アロママッサージ、学生ボランティア、見守りボランティアなどのインフォーマルサポート(家族に代わるものとしての生活支援)がそれぞれ連携を取り合いながら入居者とその家族を支えていることが、図を用いて説明されました。

 「かあさんの家」で連携している事業所には(1)主治医(6医療機関)、(2)訪問歯科医(2医療機関)、(3)訪問看護(8カ所)、(4)ケアマネージャー(5事業所)、(5)訪問リハ事業所)、(6)訪問入浴(2事業所)、(7)福祉用具(5事業所)、(8)通所サービス(3事業所)、(9)訪問薬局(3機関)、(10)(訪問マッサージ(2事業所)・・・があるとのこと。「『かあさんの家』は1件あたり入居者5人、4箇所で20床です。それにこれだけ医者や看護師、事業所などがあります。こんな病院は日本にはありませんが、これが地域包括ケアです。『地域でみる』ということです」と強調し、「かあさんの家」に医師、歯科医、訪問看護師、福祉用具業者、ケアマネージャー、介護ヘルパーが集まり、入居者や家族と一緒に今後の支援の進め方などを話し合っている、とある夜のカンファレンスを撮影した写真がスライドで紹介しました。多職種で生活を支えている実際の様子を目の当たりにし、参加者は胸を打たれていました。

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(つづく)

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