好きな気持ちを伝えよう

2016年7月19日|

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 「好きな気持ちはなかなか伝わらないが、嫌いという気持ちはすぐに伝わってしまう」と述べたのはアサヒビール会長の福地茂雄さん(『プレジデント名言録 part3』、「プレジデント」編集部)。

 老健施設で働く中で、利用者に対して好意を示すことはケアの第一歩であり、そこから信頼関係が構築され、本人の残存能力を活かしたリハビリテーション介護が展開され、ひいては在宅復帰、在宅支援という老健施設の役割が果たされることにつながります。

 逆に利用者に対する嫌悪感がもしあれば、それは態度や言葉、顔色などに如実に表れ、それが相手に伝わることで、(それまで築いてきたとしても)信頼関係は崩れ、ケアに対する拒否や抵抗となり、本人の意欲は低下することでリハビリテーション介護はおろか、心身機能の低下、さらには在宅復帰や在宅生活継続困難という事態を引き起こしかねません。

 このようなことから技術や知識などを差し置いても、介護の基本は「相手を好きになること」ではないでしょうか。福地さんがおっしゃるとおりそれは「なかなか伝わらない」かもしれませんが、何よりもまず「好きだ」という気持ちがなければ伝わりようがありません。そういう意味では利用者11人の事をよく知り、思い、好きになるという事は、大切な介護技術の基本ではないかと思います。

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