:「生きるとは、死と直面して戦うこと・・・」
「生きるとは、死と直面して戦うことである。そこに真の生き甲斐がある。」これは、芸術家、岡本太郎氏の言葉だそうです。今年生誕百年を迎え、今またその作品や功績、そして生き様に脚光が当てられていますが、この言葉は重い。ズシンと胸に響きます。
生きとし生けるものであれば、この世に「生」を受けたものであれば、決して避けることはできない・・・それが「死」です。生と死は背中合わせ。だけど、世の中が平和で、そして心身が健康だと、ついそのことを忘れてしまいがち。しかし、「死」は消え去ったのではない。いつでも背中合わせ。だからといって、やみくもに死ぬことを恐れよ、というのではありません。そうではなく、死が必ず訪れるからこそ、生きている事の素晴らしさを、いつ何時も忘れてはならない、生きている今、この瞬間を、いかに生き生きと生きるか、それが大事なのだ、と思うのです。
岡本太郎氏の代表作品と言える、「太陽の塔」は、1970年の万国博覧会の時に作られた作品です。それから40年余りが過ぎましたが、今なお多くの人々が訪れ、見る者に深い感動を与えています。その斬新なデザインは、単に奇をてらったものではなく、まさに死と直面し、そして戦った過程を経て生まれたのだと察し、改めて岡本太郎氏のすごさに心が震えました。
老健で働く者として、私たち自身が生き甲斐をもって仕事に励むのはもちろん、なによりも、利用者様が日々生き甲斐を感じて過ごしていただけるよう努めなければならないと思います。未来は早足でやって来て「今」になり、「今」は一瞬で過ぎ去って「過去」になり、「過去」はいつまでも「過去」のままである・・・。それゆえになおさら、今生きている事の素晴らしさ、命の尊さを、決して軽んじてはいけないのだ、と思いました。
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