第14回研究大会開きました(その3)

2018年1月8日|

 開会式に続き、基調講演となりました。演題は「老人保健施設を取り巻く環境の変化と期待される役割について ~地域共生社会を見据えて~」。講師は宮崎県福祉保健部長寿介護課の木原 章浩 課長にお願いしました。  講演は(1)老人保健施設制度の変遷、(2)本県の現状・将来推計と課題、(3)地域包括ケアシステムの深化・推進、(4)老人保健施設を取り巻く環境の変化、(5)多様化する社会的要請への対応・・・という流れで進められました。

 この中で「(3)地域包括ケアシステムの深化・推進」に関しては、国が団塊の世代が75歳以上となる2025年をめどに、重要な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、医療・介護・住まい・生活支援が一体的に提供される同システムの構築の実現を目指していることに触れながら、高齢者が生きがいを持ち、いつまでも元気に暮らすためには「その中で一番注目されているのが生活支援・介護予防」と指摘。

 その上で「医療サービスと介護サービスの連携が非常に大事です」とし、入院医療機関の医師や退院支援職員と居宅支援事業所、地域包括支援センターの介護支援専門員との連携といった「入退院時の連携」、そして在宅における連携(在宅医療に携わる医師等と医療職と在宅介護に携わる介護支援専門員など介護職との連携)、および施設における連携(特養・老健の医師・介護支援専門員と医療機関の医師・看護師などとの連携といった「施設における連携」からなる「生活の場での連携」の重要性を訴えました。

 また「(4)老人保健施設を取り巻く環境の変化」については、「支え手」、「受け手」に分かれるのではなく、子供や高齢者、そして障害者などすべての人々が、一人ひとりの暮らしと生きがい、そして地域をともに創る「地域共生社会」について言及。高齢者だけでなく、障害者や子供など地域における一体的なサービスを提供することで、互いの暮らしが豊かになったり、子供と関わることで 高齢者のリハビリや障害者の自立・自己実現に良い効果が生まれたりしている「富山型デイサービス」(富山県)の実践例や、短期入所など共生型サービスの概要を紹介しながら、「重度障害者の家族休息確保の施設などとして、県からも老健に受け入れをお願いします。障害特性の理解や障害児の親との関係構築など難しいかもしれませんが、地域共生社会としてウイングを広げて欲しいと思います」と、老健の他職種連携の強みを活かした共生型サービスへの取り組みを呼びかけました。

(つづく)

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