次はいつかな?また見たい「ロケット雲」

2018年1月26日|

 「な、なんだこりゃ~?」・・・。1月18日(木)の日の出前、東の空を見上げてそう叫んだ人も少なくなかったことと思います。写真のような得体の知れないものが浮かんでいたからです(西都市内で撮影)。

 「UFOの襲来か?」、「何か不吉な出来事の前兆か?」、「オーロラ?」、「気味が悪い」など様々な憶測も飛び、ネット上で大騒ぎとなりましたが、既に報道されている通り、この正体は「ロケット雲」。この日の午前6時6分、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が内之浦宇宙空間観測所から打ち上げた個体燃料ロケット「イプシロン」3号機の置き土産です。

 「夜光雲(やこううん)」とも呼ばれるこのロケット雲は地球上で最も高いところに発生する雲で、地上約75~85キロメートルの中間圏界面付近に発生するとのこと。地上10キロメートルくらいまでに発生する通常の雲と比べるとべらぼうに高く、そのため地上にまだ太陽光が当たっていない日の出前(写真は午前6時51分撮影)でも、太陽光を受け、このように光って見えるのだそうです。

 このロケット雲はこれまでにも幾度か観察されています。上の写真は昨年(平成29年)1月24日の夕方、H2Aロケット32号機発射後に発生したものです(宮崎市内で撮影)。

 またこれは平成28年2月17日に打ち上げられたH2Aロケット30号機発射の瞬間を撮影したものです(国富町内で撮影)。

 今回の「イプシロン」は日本の新しい小型ロケットで、打ち上げ費用が従来の小型ロケットの半分程度である約40億円。その3回連続の打ち上げ成功に、関係者の喜びもひとしおだったことでしょう。できれば天気予報などの際にでも打ち上げを告知し、このような素晴らしい天体ショーが繰り広げられるであろうことを繰り返しPRしてもらえると、みんなで成功を喜ぶとともに、この感動を共有できると思います。その際には利用者の皆さんとも一緒に空を見上げ、ロケット雲を楽しみたいものだと感じながらシャッターを切った次第です。

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