キャリアアップ基礎研修開きました(ケアプラン部会、リハ部会:その4)

2018年3月1日|

 最後の講義は「起居・移乗動作・ポジショニングの基礎」。講師は引き続きこんにちわセンターの中村豪志さん。

 はじめに介助の原則について説明。「介助者の認識→動作の意志決定→動作手順の認識→動作の実行・修正→動作の完了」という介助動作の流れを踏まえ、「安全かつ本人の力を引き出す介助」として“本人が楽にできる動作”、“介助者の負担を減らす動作”を(1)一直線よりも遠回りの曲線、(2)一度にやらずに分割する、(3)「支持基底面」を理解する、(4)「てこの原理」を理解する(回転するためにはレバーアームの距離を長くする、物を持ち上げる時はレバーアームを短くする)(5)素早く行うよりも適度なスピードで・・・というポイントを押さえながら説明がありました。

 その上で利用者の身体能力に応じた起居動作、立ち上がり・移乗動作の実践的な介助方法について、様々なやりかたと特徴、注意点などを紹介。「腰部に負担をかけない動作」の要点として、「足を大きく開いて互い違いに構える」、「できるだけ腕を自分の体から離さない」、「要介護者と介助者の距離を適切に確保する」、「一度に行わずに、分けて行う」の4点が示されました。さらに「ベッド周囲を片づけると安全に行える」といった環境整備や、「足のせや肘かけを跳ね上げて、動きやすい環境を作ることができる」モジュール型車椅子の活用なども大切とのことでした。さらにベッドの昇降機能を利用した移乗介助や、釣り上げ式リフト、立位補助リフトなどの福祉用具の紹介もありました。

 次に褥瘡や拘縮などといった局所的な廃用症候群を予防するために行う「ポジショニング」の説明に移りました。一定部位への圧力や剪断力により生じる褥瘡発生のメカニズムを踏まえ、接触面積を広く取ることや、ベッドや車椅子上で行う「背抜き」の実際を学びました。また、褥瘡を起こしやすくする要因として「感覚障害(痛みを感じにくい)」、「低栄養(細胞に栄養が届きにくい)」、「糖尿病・末梢の循環障害(血管が障害されやすい)」があり、注意が必要とのことでした。

(つづく)

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