老人の場所から見た世界

2013年1月29日|

 111日の宮崎日日新聞を読んで「クスリ(^ ^)」と笑った方も多かったのではないでしょうか。「お年寄り川柳が人気」という記事です。

 

「誕生日 ローソク吹いて 立ちくらみ」

「気がかりを 晴らしてくれた 内視鏡」

「LED 使い切るまで 無い寿命」

 

 「えっ?(゜゜)」とびっくりするような川柳に、かつての「赤信号 みんなで渡れば こわくない」という漫才ネタを思い出したのですが、これらの作品が全部、高齢者自らによるものと知って二度びっくり。そして思わず「クスリ(^^)」と読んでしまいました。

 記事では千葉県の老人ホームの入居者が作っている川柳グループの活動が紹介されていました。入居者自らが先生役となって他のメンバーを指導、各自がひねった作品を採点し合っていました。

 また、全国有料老人ホーム協会の主催で実施している「シルバー川柳」の盛況ぶりも載っていました。当初1回限りのつもりで公募したところが、大反響。毎年の開催となり、応募総数は11万句を超えたというから驚きです。

 「誰でも年を取るし、年を重ねて分かることもある。句から悲哀を感じるところが面白いと思う」という関係者のコメントが印象的でした。自らの老いを受け入れ、それを悲しむばかりでなく、笑いに変えていく。そしてそれを皆で笑い合って、さらに年齢を重ねていく・・・超高齢化社会をこのように笑って過ごしていくのは素晴らしいと思いました。

 「夕映えが美しいように、老人の場所から見た世界は美しいのです」と言ったのは伊藤整(『いい言葉は、いい人生をつくる』斎藤茂太、成美文庫)。老健施設の利用者様は、一体どんな美しい世界が見えているのでしょうか?聞いてみたいな。できれば川柳にしてもらって。

« 前のページに戻る

TOPへ