欣喜雀躍(きんきじゃくやく)
ちょうどその瞬間を、テレビで見ていました。最後の投てきを待たずに優勝が決定した瞬間、見ている私は欣喜雀躍!ても、そこで欣喜雀躍せずに、しっかり80メートルオーバーを投げて締めくくった室伏選手の集中力、そして精神力、素晴らしいと思いました。また、その後、ともに競い合った他選手と健闘をたたえ合う姿も清々しかったです。最高の練習と、最高の調整をしてきた者同士が、最高の舞台で最高水準の競技を繰り広げたからこそ分かち合えるものがあるのだ、と少しうらやましくなりました。
それにしても、他の種目や、他のスポーツならピークを過ぎていてもおかしくない36歳という年齢での優勝。ハンマー投げが決して怪力に頼ったものではないということを、高度な投てき技術をもって証明してくれました。他の選手と比べても、段違いに美しいフォームに見とれてしまいました。それにあの研ぎ澄まされた集中力が加わったわけですから、5投目くらいで既に解説者が「これはもう室伏は優勝ですよ!」と言っていたのも納得です。
以前のようながむしゃらな練習はせず、量より質を重視したトレーニングをしているのだとのこと。中でもユニークなのが、「赤ちゃんの動き」を取り入れた練習。テレビでも少し映っていましたが、ひょっとすると、新たな練習法として、他の競技にも広まるかもしれませんね。それどころか、その理論が「筋肉が発達していない赤ちゃんが、転ばずに、バランスがとれているから」という根拠に基づいているじゃあありませんか!これって、「筋力が低下した高齢者が、転ばない方法」に結びつきはしないでしょうか!?そうだとすれば、老健のリハビリに是非是非取り入れたい!と思った次第です。室伏選手が自らの身体を実験台にして取り組み、そして結果を出したわけですから、これほど説得力のあるものはありません。競技終了後、室伏選手と喜びの抱擁を交わしていたのは理学療法士のロバート・オオハシさん。老健の理学療法士のみなさん、室伏選手の「赤ちゃん体操(?)」いかがでしょうか?