偕老同穴(かいろうどうけつ)
広辞苑によれば、「生きては共に老い、死しては同じ穴に葬られる意で、夫婦が仲むつまじく連れ添うこと」という四字熟語です。敬老の日にちなんで、共に百歳を迎えられるご夫婦がニュースで取り上げられ、話題になったりしますが、苦楽を共にしつつ、添って添われて齢(よわい)を重ねていくという生き方、いいものですね。
利用者様が好きな「偕老同穴ソング」と言えば、やはり村田英雄さんの「夫婦春秋」ではないでしょうか。これはまず、歌詞が素晴らしいです。着いて来いとも言わない寡黙(不器用な?)な二十歳の男性と、黙ってついて来た十九歳の女性が結婚。翌日食べるものさえなかったくらい貧しかったけれど、やりくり上手の妻は、ぐちの一つも言わずに「貧乏は十八番(おはこ)よ」と笑顔。だけど、夫の成功には喜びの涙。
間口九尺、奥行き二間という狭く粗末な家でスタートした結婚生活は胸突き八丁の苦しい事の繰り返し。しかし、苦労は二人で半分こ、喜びは二人で倍にしながらずーーーーーーっと歩んできた二人。そんな夫婦の歩みを振り返った夫が、「俺とお前で苦労した花は大事に咲かそうなあ」と語りかける内容です。
これにゆったり、じっくり、どっしりしたリズム(終始、”どん、つつ、どん、つつ”というパターンです)とメロディーがついて、さらに村田英雄さんの図太く男らしい、しかし優しい声が語りかけるように歌い上げていますからたまんないです。心にじわーん、じわーんと響く名曲です。「夫婦春秋」というタイトルもこれまたぴったんこです。
ご夫婦で老健を利用されている方も少なからずおられるのではないかと思いますが、偕老同穴を実践されている人生の大先輩に、尊敬と感謝の気持ちを込めて、「夫婦春秋」のプレゼントなんぞ、いかがなものでしょうか?
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