褥瘡と栄養の関係学びました(栄養給食部会:その2)
潤和会記念病院皮膚・排泄ケア認定看護師の宮田則子さんによる講義では、褥瘡発生要因の概念や病院における褥瘡対策を踏まえ、皮膚の構造と褥瘡発生のメカニズムが説明されました。
骨が出っ張った部分では関節が1回動かされただけでも「残留ずれ力」による虚血が生じ、褥瘡が発生してしまうため、「背抜き、圧抜きが必要です」と強調し、ベッドや車椅子を使用している人を介護する際の注意点を具体的に紹介する宮田さんの話に、受講者は真剣に聞き入っていました。
続いて褥瘡の治癒過程に移り、その中で「できてしまった褥瘡を早く治すには組織の耐久性向上が大事で、現疾患の治療に加え、栄養状態を整えることが重要」と強調。褥瘡が治癒するそれぞれの過程で積極的な補給が必要な栄養素やそれぞれの役割について、スライドを用いて復習しました。
さらに褥瘡の分類と経過を、褥瘡の「深さ(D)」、「浸出液の量(E)」、「大きさ(S)」、「炎症/感染(I)」、「肉芽組織の量(G)」、「ポケット(P)」の6項目で評価するツール”DESIGN“について、それを用いた褥瘡の状態観察と栄養の評価ポイントを示しながら、栄養スタッフが利用者の褥瘡を実際に観察・評価することが大切だと訴えて講義を締めくくった宮田さんに、会場からは感謝の拍手が贈られました。
(つづく)
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