Masaさん(菊地雅洋氏)第2弾講演会開きました(事務長会&看護・介護部会:その10)

2015年10月21日|

 「普通の生活とは?」と考える視点を常に持ち、施設で暮らす利用者のそれまでの生活習慣およびその中での楽しみなどを慮ったケアに当たることの大切さについて説明した菊地雅洋先生。入浴や食事の事例に続き、「羞恥心への配慮」や「『行列に並ぶ日常』のおかしさ」について言及しました。

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【羞恥心への配慮はできているか:ベッドサイドのカーテンは何のため?】

〇多床室におけるベッドサイドのカーテンはプライベートを確保するためのもの

〇したがって、おむつ交換の際にはきちんと閉めて行わなければプライベートは保たれない

〇「おむつ交換」ではなく「排泄ケア」の一連の行為→「忙しいのに開けたり閉めたりできない」というのは間違い。自分がトイレに行った時、扉を開けっ放しにして排泄ができるか?

〇「恥ずかしい」と思っていても言えない人に対し、きちんとカーテンを閉めて「私が守ってあげますからね」という意思表示をすることが大事

〇「人格を捨てないと施設には入れない」という人を作ってはいけない!!

 

【『行列に並ぶ日常』はおかしい】

〇皆さんはいつ、どんな時並んで待てるか?僕の場合、美味しいお店ができたら行列に並んで待って食べることは年に何回かあるが、次の日もまた行列に並んで待つようなことはしない

〇高齢者施設は簡単に行列を作ってしまう。入浴の場合、浴槽に入り洗身したりする時間が15分しかないのに、脱衣所にたどり着くまで廊下に30分並ばないといけないという生活になりやすい。

〇脱衣が始まっていないのに廊下に並べて別の仕事をする、というように分業を行うことにより中でつながっていないから行列ができる

〇このような行列は、サービス提供者側の都合で作る不必要な行列であり、「我慢」と「強制」の象徴。毎日並ばないと日課が終わらないというのはおかしい。行列を見たら「悲しい」と思ってほしい

〇これらの反省からできたのが「ユニットケア」。ひとりひとりの生活スタイルに合わせ、マンツーマンで行うケアだから行列はできない

〇大規模型の施設でもマンツーマンをやってみればわかるが、業務効率はそれほど落ちない。30分並ばせる人は30分後に連れてきているだけ。マンツーマンで対応する癖をつければ行列はできないし業務はさほど増えないとわかる

3人以上並んだら「行列」ではなく「我慢」とか「強制」と呼び方を変え、「どうしたらこの『我慢』はなくなるだろう?」と職員みんなで考えて取り組み続けてほしい

〇少しでも良い方法ができたらお互いほめ合いながら続けることで1年後には大きく変わる。行列はなくなる

〇サービス提供方法の効率化を見直し、「不便な方法」をあえて採用することも必要なときがある

←「その9」に戻る)             (つづく

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