胃ろうトラブルへの対処法学びました(栄養・給食部会:その1)

2016年12月1日|

 (公社)宮崎県老人保健施設協会栄養・給食研究部会は11月19日、宮崎市の宮日会館で研修会を開きました。胃ろうトラブルへの対処法を学ぼうと、25人が受講しました。

 この日の研修会ではまず「腸管栄養材について」と題し、テルモ株式会社の中垣範男様より情報提供がありました。栄養療法と投与経路、栄養管理の基本である腸管の役割、経腸栄養剤の選択基準、胃ろうからの半固形食の短時間摂取法による患者へのメリットなどについて、症例研究の結果や動画を交えながらわかりやすくお話いただきました。001jpeg-image-1304458

 これに続いて講演「胃ろうトラブル対処法について」へと移りました。講師には医療法人善仁会 市民の森病院院長、また総合健診センター所長も務められている、消化器科の前田 啓一先生にお越しいただきました。002jpeg-image-1305818

 胃ろうに関するトラブルには(1)胃ろうを造設する前のトラブル、(2)造設時のトラブル、(3)交換時のトラブル、(4)栄養のトラブル、(5)管理のトラブル・・・などがあり、それぞれについてスライドを用いて詳しい説明がありました。

 この中で「(1)胃ろう造設前のトラブル」としては、造設にあたり、基礎疾患の種類や本人または家族が望まれているかどうか、造設後にQOLが改善するかどうか、退院後の生活場所が確保されているか、そして胃ろう管理(交換を含む)を担ってくれる病院があるかどうか・・・などの検討を怠るとトラブルに陥りやすいとのことでした。

 「(2)胃ろう造設時のトラブル」には出血、他臓器誤穿刺(たぞうきごせんし)、肺炎などがあり、その中で肺炎予防のためには原因のいかんによらず口腔ケアの実践が大切であり、前田先生は「口腔ケアを実践することが肺炎の発症は確実に減ります」と強調しました。そのほか誤嚥性肺炎を繰り返す症例には半固形化栄養剤を用いることが有用であり、肺炎の発症を減らせることなども学びました。003jpeg-image-1306090

(つづく)

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