「地域包括ケア」学びました(在宅・支援相談部会:その2)

2017年9月22日|

 全国および宮崎市における高齢化、要介護者、介護者、認知症高齢者等に関する現状および今後の予測、そして地域ぐるみの支え合いの必要性について説明した宮崎市福祉部介護保険課主任主事の成松宏樹さん。「誰もが、住み慣れた家で、地域で、安心して暮らし続けることができるしくみ」である地域包括ケアシステムの構築に向けた取り組みについて話を進めました。

 宮崎市では「まちぐるみ」、「ひとぐるみ」、そして「地域ぐるみ」でみんなを支える地域包括ケアシステムを市民に親しみをもって取り組んでもらえるよう、独自の愛称を公募により「ぐるみん宮崎」と決定し、様々な取り組みを行っています。

 その一つとして宮崎市地域包括ケアシステム情報誌「ぐるみん宮崎」を今年4月に作成、9万5千部を市内の各家庭に配布しました。A5版カラー、152ページ仕立ての同誌は、マンガやイラスト、写真を豊富に盛り込み、大変わかりやすい内容になっています。

 国がすすめる地域包括ケアシステムは、「住まい」、「介護予防」、「生活支援」、「介護」、「医療」の5つを一体的に提供する仕組みですが、宮崎市はこれに「医療介護連携」、またすべてに関わる項目として「認知症」の7つを「ぐるみん宮崎」の柱とし、この柱を「行政」、「地域包括支援センター」、「関係機関・民間企業等」が下支えするものとなっています。

 成松さんは高齢者が人生の終盤までできるだけ在宅で元気に暮らせることを支援するために宮崎市が始めた「自立支援型地域ケア会議」について、具体的な事例を示しながら説明をしました。介護支援専門員が立てた目標とサービス内容に対し、保険者である宮崎市が会議をコーディネートし、専門職がそれぞれの立場から助言を出し合って自立支援型の目標と支援計画にブラッシュアップしていく内容がスライドに具体的に示されると、参加者は高い関心を示しながら聞きっていました。

 また、「在宅医療・介護連携推進事業」については「高齢者が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを最期まで続けるために、医療と介護の一体的な提供体制の構築が必要」とし、同事業に取り組むことで(1)市としての方向性を関係機関とともに検討し、統一的に進めることができる、(2)地域資源、実情を把握し、関係機関が対象者支援につなげるとともに、課題の抽出を行い、対応策を検討することができる、(3)医療・介護関係者の円滑な情報共有により、対象者に適切な支援を提供できる、(4)関係機関の顔の見える関係作りをはかり、相互理解が深まる、(5)市民における在宅医療・介護の理解、終末期ケア(看取り等)の理解が深まる・・・などの成果が期待できることを説明すると、参加者は老健施設としても地域包括ケアの中核施設として、関係諸機関との連携を密にしながら、利用者の在宅復帰、在宅生活支援を推し進め、高齢者が長年住み慣れた地域で生き甲斐のある暮らしを送り続けていけるようサポートすることの重要性を再確認していました。

(つづく)

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