千古不易(せんこふえき)
昔から永久にかわらないことを言い表す四字熟語です。
昭和の高度経済成長期からでしょうか、お盆(そして正月)の帰省ラッシュは毎年おなじみのトップニュースとして取り扱われています。南船北馬ならぬ、南車北車が自動車道にひしめき合う姿から、餌場を求めて大移動を行うヌーの行軍を連想してしまいました・・・などと言うと、お叱りを受けそうですが、私自身、かつてはその常連の一人だったのです。ご容赦下さい。
もちろん、ワニが待ち構える川を命がけで渡るなどという危険なものではありません。帰らなければ飢え死にするわけでもありません。だけど、お盆とお正月には帰りたくなる、いや、帰らなければならない気持ちにさせる。それが故郷というものではないかと思います。日程をずらせば混雑しないのはわかっているけど、それではダメ。渋滞は覚悟の上での帰省です。それだけに、やっと帰り着くと、ほっとします。そして、故郷の良さに改めて気付かされるのです。
なんにもないけど、全てがあるのが故郷。そこに吹く風の心地よさ、海の青さ、山の緑、川のせせらぎ、空の広がり、鳥のさえずり、そして人の温かさ・・・。いくら写真やビデオに撮り納めても、それらを都会に持って行くことはできないのです。そこに帰って、それらに包まれなければ得られない心の安らぎ。それを求めて人は一路故郷を目指すのではないでしょうか。
東国原知事以来、おもてなし日本一を目指してきた宮崎県。それは都会から帰省してくる本県出身者達に対しても同様です。時世時節が変わろうとも、千古不易、そして未来永劫、故郷宮崎が武陵桃源(ぶりょうとうげん)であり続けてほしいと願います。
ただ、今年の帰省ラッシュにあたっては、この度の大震災で、生まれ育った大切な故郷が無残な姿になってしまった方も多くおられ、胸が痛みます。心よりお見舞い申し上げますとともに、故郷のいち早い復興を祈念申し上げます。