雲間のレール

2015年4月17日|

IMG_7998(s).jpg

 「雲間のレール」と名付けたこの写真。昨年の86日の昼過ぎに撮影したものです。モコモコした2つの雲の間を、飛行機が通過したわけですが、それがちょうどレールのように見えたものですから、このように名付けました。

 「レール」と呼ぶからには、そこを走るのは列車。そしてこの突き抜けるような青空を走るのは、ブルートレインをおいて他にはありません。Wikipediaによると「客車を使用した寝台列車を指す愛称」であるブルートレイン、略して「ブルトレ」。かつて「ブルートレインブーム」も巻き起こり、全国の鉄道ファンに愛されました。寝台車の狭いベッドで、「ゴトンゴトン」というレールの継ぎ目の音(転動音)を聞きながら熟睡するのは少々大変で、寝相が悪くてベッドから落っこちる人もいました(経験者談)。だけど目的地に行くことだけが目的でなく、目的地に行くまでの道のりを楽めるのもブルートレインの醍醐味。ゆっくりと過ぎ去る風景を眺めたり、駅弁を楽しんだり、隣り合わせた人と会話に話がはずんだりして、ブルートレインの旅は楽しいものでした。

 しかし現在、全国あちこち(ただし宮崎を除く)に新幹線が整備され、各地の移動時間が大幅に短縮されてきました。そしてなんと共同通信によると、「青い塗装の寝台特急『ブルートレイン』が2015年度末までに全面廃止される方向で検討されている」とのこと。客車の老朽化や乗客の減少などにより、存続がむずかしくなったためだそうです。車中で宿泊する必要もないほどに交通手段が向上したのは喜ばしいことですが、その一方で、便利残念な思いをしている鉄道ファンも少なくないのではないかとも思います。

 それはさておき、「雲間のレール」が雲と雲とをつなぐ橋渡しをしているように、老健施設は病院と自宅、さらには地域社会とをつなぐ橋渡しをする中間施設。他職種がそれぞれの専門性を活かしながら共同してケアにあたり、自宅や地域社会へ復帰し、そこで生き生きとした生活ができるようサポートしきたい、そして老健は利用者の夢や希望や目標を乗せていつまでも走り続けるブルートレインでありたい・・・空を見上げながら、そのように考えた次第です。

« 前のページに戻る

TOPへ