水を打ち、棹を差す

2016年6月6日|

 自然豊かな宮崎、特に朝夕は魅力的な風景を見せてくれます。

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 まずこの写真は519日の朝、日の出の頃の大淀川で撮った一枚です。穏やかで静かに流れる大淀川が、まるで鏡のように空と雲と太陽を映していました。風も弱く、「水を打ったよう」に静かな朝でした。

 ちなみにこの「水を打ったよう」という言葉、「広辞苑」には「大勢の人がだれも口をきかず、静まりかえっているさま」とあります。しかしこの静かな川の水面を、棒かなにかでバシャバシャ打ってしまったら、波紋で乱れてせっかく川面に映った空や雲や太陽が消えてしまいます・・・と言いたいところですが、この場合の「水を打つ」というのは、「打ち水」のことを言います。つまり打ち水をすることで空気中を舞っている砂埃などが無くなって静かになった様子が「水を打ったよう」ということですのであしからず。

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 次の一枚は、同じく519日、上の写真より少し早い時刻、ちょうど朝日が顔を出した頃に河川敷に下りて、川面ぎりぎりまで近寄って撮った写真です。左下を見ると、木の枝があたかも「流れに棹(さお)」をさしたようになっています。

 ちなみにこの「流れに棹」という言葉、「広辞苑」には「棹を使って流れを下るように、大勢のままに進む。誤って、時流にさからう意に用いることがあるとあります。したがってこの写真の場合、穏やかな川の流れに棹ならぬ枝がささって、流れに逆らい波紋を作り乱してしまっていますので、「流れに棹さす」という言い方は誤りということになりますね。

 とはいえ、このような宮崎の自然豊かな風景を目の当たりにすると心が洗われる思いです。老健の利用者の皆様が大切に守り、育ててこられた宮崎の自然を、私たちもまた守り、育て、そして次代に引き継いでいきたいと思います。

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