深刻!独居高齢者孤立

2016年6月10日|

 「独居高齢者 深まる孤立」という見出しが大きく載っていたのは530日の宮崎日日新聞。宮崎県警が平成27年の1年間に実施した65歳以上の独居高齢者の検視件数が354件に上り、統計を取り始めた2006年以降で過去最多になったのだそうです。

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 この記事のリード文には「周囲との交流がなく、誰にもみとられずに亡くなる『孤立死』とみられるケースも少なくない」と記されていました。県警によればこの354件という検視数は、検視件数全体の4分の1を占めているとのことで、「家族が近くにおらず、死後数日たって近所の人が発見することも多い」との指摘も紹介されていました。

 県長寿介護課によれば、県内における一人暮らしの高齢世帯は2005年の47千世帯から2010年は53640世帯に、さらに2015年は推計値で63千世帯と、増加の一途をたどっているとのこと。これは高齢化や生活困窮も背景にあるとして、検視に当たっている医師の「地域や家族とのつながりを持てるような地道な取り組みが求められる」というコメントが紹介されていました。

 高齢者の在宅復帰、在宅生活を支援し、高齢者が生き甲斐をもって地域社会の一員として交流と役割を保ち、参加・活動を継続できるよう、介護老人保健施設が地域包括ケアシステムの拠点として果たすべき役割は益々重要かつ喫緊の課題になっていることを否応なしに痛感させられる記事でした。施設間における他職種での連携はもちろんのこと、地域の様々な機関、団体、そして住民等との広く、深いつながりを今以上に強化し、このような悲惨な現状解決に向けて取り組んでいかなければならないと思います。

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