モッタイナイ

2011年10月17日|

  925日、ワンガリ・マータイさんが亡くなられました。2004年のノーベル平和賞受賞者。アフリカ全土で植林活動を行った、ケニア出身の環境保護活動家。特に、「世界に『モッタイナイ(もったいない)』を広めた人」として、日本人には馴染みが深い方だったのではないでしょうか。享年71歳、まだ早いのでは・・・このこと自体、「モッタイナイ」と、残念な気持ちになりました。

 この報道を聞いている時、部屋にあったこんなものが、目に入りました。

 

DSCN1238.jpg(一定の年齢以上の方だと、「あっ!あれだ!!」とわかるのでは?)

 

 

 「オリンパスペンD2」というカメラです。「オリンパスペン」シリーズの中で、Dシリーズは最上位に位置づけられています。発売は1964年、今から47年も前ですが、今でもちゃんと撮ることができる、現役バリバリのカメラです。

 この「ペン」シリーズが世に出たのは1959年。レンズは高性能のものを用いながら、他の部分についてはコストダウンをはかり、安くて小さいのに高性能!と、それはそれは大評判だったそうです。

 

 それはそうと、この「ペン」のどこが「モッタイナイ」と関係あるのか?というと、このカメラの最大の特徴ともいえる、「ハーフサイズ」という構造にあります。これは、フィルム1枚分で写真2枚が撮影できる、というお得な仕組みです。したがって、24枚撮りフィルムなら48枚、36枚だと何と72枚もの写真が撮影できるわけです。このカメラが出た当時、写真は白黒からカラーに変わろうとしていた頃でした。カラーフィルムは高価でしたので、この「ペン」シリーズ、「モッタイナイ」の精神に基づき、フィルムを大事にするカメラだったと言えます。それでも「2倍撮れるから!」と、デジカメみたいに枚数を気にせずじゃんじゃん撮りまくるということはせず、残りの枚数を気にしながら、「ここぞ」というシャッターチャンスに集中していました。ですから、ちょこっと撮ってすぐ現像、ということはもってのほか。最後の一枚まで大事に大事に撮り終えて、それからようやく写真屋に持って行ってたものです。

  

 

DSCN1239.jpg

     (↑フィルムカウンターの目盛りが80枚分まであります!!)

 

 その一方で、「ペン」は電池が不要!今のデジカメみたいに、バッテリーが切れを心配することもありません。特に写真のペンD2は、電池無しで露出を測ることもできた優れもの。自然に優しいカメラでもあったわけです。

 このカメラで、色々な想い出を撮って来られたであろう方々が、老健を利用される時代にさしかかってきました。写真だけでなく、生活の色々な場面で「モッタイナイ」の精神を発揮して来られた人生の先輩方に、その教えを請いたいと思った次第です。マータイさんの訃報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。

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