R4システム学びました(ケアプラン部会:その3)

2015年12月9日|

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 専門職のアセスメントに関しては、他職種で生活機能の低下の原因を分析し、課題を明らかにして目標を設定していくことが重要で、(1)各専門職の意見を持ち寄り、理解しようとすることで自然とディスカッションが行える、(2)実際の生活場面を評価し、リハビリにつなげる、(3)専門職の知識や技術が大きく左右する、(4)各専門分野のアセスメントが適切なケアにつながること、そして施設のケアの基本となることが重要・・・などのポイントを学びました。

 その中で(2)について講師の医療法人和光会介護療養型老人保健施設恵愛荘の谷川敦弘事務長は、「介護職がベッドサイドに車椅子をつけて、靴を履かせてリハビリ室に連れて行き、平行棒を歩かせる、などということでは効果的なリハビリはできません。平行棒で歩くより介護職が利用者に自分で靴を履いてもらうようにした方が効果です。自宅で食事を摂る際、テーブルを伝って歩く必要があるのなら、平行棒ではなく食堂に行ってそこを伝い歩きした方が効果的です」と述べ、そのためにも(3)に掲げた「みなさんの専門職の知識や技術を使って下さい」と呼びかけました。そしてR4システムを使用して他職種でケアマネジメントを行う上で、インテークの情報(ニーズ、適正)が大切だと繰り返しました。

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(↑立ち上がりの介助方法について実演を交えて説明。介助の『質』の大切さを教わりました)

  また、アセスメントを活用し、個々の目標にあったプランを作成し、介助にあたって行く中で、「一部介助の場合、大事なのは介護の『質』です。介助の『量』ではありません」と述べ、その介助を続けることで利用者が元気になる介助が大事だと注意を促しました。

 自立支援のためのケアプランは「”残存能力”+”福祉用具等の環境”+”適切な介助”」という足し算であることを、スライドに示しながら、「『自立支援』は主語が2つあります。『自立』は利用者本人、『支援』は私たちです」と、高齢者の意欲や能力を引き出して自立へ導くために、支援する職員はそのための意識や知識、技術を高めることが必要と説明。「人的環境であるみなさんがスキルアップすると、利用者は良くなります。そしてR4システムのコメント欄で意見や情報を出し合ってチーム力を発揮しましょう」と呼びかけました。

 続いてICF(国際生活機能分類:International Classification of
Functioning, Disability and Health
)ステージングについて、「包括的自立支援プログラム」では多くの評価が必要だったことを踏まえ、全老健作成した「より少ない項目で」、「変化が捉えやすく」、「状態増がわかりやすい」指標を紹介。これは全老健が統計学手法を用い、むずかしい動作から簡単な動作に並び替えたもので、R4システムではイラストを添付し、14項目(※)に絞り作成されています(※:基本動作、歩行・移動、オリエンテーション、コミュニケーション、精神機能、嚥下機能、食事動作、排泄動作、入浴、衣服着脱、口腔ケア、整容、余暇、社会交流)。それぞれの項目の各ステージにイラストと説明文が添えられており、これをもとに利用者ひとりひとりの状態像を把握し、具体的な目標設定やそのために他職種が協働して実施するケアの内容決定がスムースに行えるなど、職員が使用しやすいだけでなく、利用者本人や家族もわかりやすいといった説明に、受講者は高い関心を示していました。

つづく)

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