R4システム学びました(ケアプラン部会:その6)

2015年12月14日|

 このようにR4システム導入に当たって浮上した様々な問題を解消するため、もう一度勉強会を開催。職員から積極的に意見を出してもらい、それをもとに再検討を行い、使用しやすい状況になり、平成264月から本格導入となったそうです。

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 そしてR4システムを導入したことにより、次のような効果があったことを、介護老人保健施設恵仁荘の支援相談員、山口慶之さんはスライドに示しました。

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《プレ・インテーク・シート》

〇ご本人、ご家族の意向を聞き取り、入所前から方向性を明確にすることができる

〇在宅復帰にはどのようなことをクリアできればよいか?を明確にすることができる

《インテーク:ニーズアセスメント・シート》

〇家族連絡先、既往歴、介護保険情報、生活史、申込み経緯、家族構成(※家族構成図もパソコン上で簡単に作成できる)、介護サービス利用状況が把握しやすい

〇台長作成時間が短縮され、病歴や生活歴が確認しやすい

《インテーク:適正アセスメント・シート》

〇選択方式であり、あてはまる項目を選ぶため、作成時間が短縮

〇イラスト付きなので状態が理解しやすくなった

〇入所判定会議や暫定ケアプランも同じ用紙に記載でき、支援内容は把握しやすくなった

〇サービスの提供項目(加算項目)もあり、加算状況も把握しやすくなった

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 恵仁荘では平日の15時から1630分にかけて、123人を対象にケアプラン会議を開いているそうです(1人の所要時間は15分から20分程度)。スライドに示されたケアプラン会議の様子に、受講者は釘付けになりました。医師や看護師などのスタッフ、そして利用者と家族が机をコの字型に囲み、全員が大型モニターを見ながら会議を進めている状況がスライドに映されていたからです。R4システム導入前の、従来のやり方で問題となっていた「ケアプラン会議で配布する枚数が多く、家族がどの資料をみてよいのかよくわかっていない」ということがなくなっただけでなく、イラスト付きでわかりやすい上に、それぞれの状態の変化をレーダーチャートなどのグラフで示すことができるため、以前の状態との比較が簡単にできる仕組みになっており、受講者は各自の施設におけるケアプラン会議のやり方と比べながら、興味津々に見入っていました。

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(↑このように各項目の状態変化がレーダーチャートで一目瞭然!)

 そんな受講者を前に山口さんは「ケアプラン会議への家族参加率」というスライドを示しました。恵仁荘では現在70パーセント近い参加率があり、「家族と共に利用者を支える体制を強化し、自宅復帰に向けて施設と家族が同じ目標に向かって支援しています」との説明に、受講者は感銘を受けていました。

 このようにR4システム導入によって家族の理解度が高まったことについて、山口さんは以下の項目を挙げました。

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(1)身体状態の変化がわかりやすい

(2)病状の変化も説明されるので、生活状況がよくわかる

(3)各職種からの意見を聞けて、在宅支援に前向きに考えるようになる

(4)書類が少ないので説明場所がよくわかる

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 このようにR4システムを導入以後、家族の理解と協力を得ながら在宅復帰率は少しずつ上がり、現在は60パーセント以上を維持。平成2710月も67.1パーセントという実績を上げていることを、その様子を表したグラフを示しながらの説明に、受講者はR4システムがいかに在宅復帰のために優れたツールであるかを具体的に学び取っていました。

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(つづく)

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