2024年 8月

開催しました!「九州大会inみやざき」(その9)

基調講演に続き、教育講演「認知症の初期症状を紐解きケアにいかす『物忘れだけからの解釈』から新・段階への展開」がありました。講師は潤和会記念病院の認知症ケアチームリーダーで、日本認知症ケア学会九州沖縄2地域部会長の医師、田代学先生。

田代先生は1901年、田代クリニックを開院。当時としては珍しい在宅医療、デイケア、産業医などを行い、老人施設の診療をする中、認知症ケアの重要性を感じ、2006年より認知症サポート医、認知症ケア専門士、同上級専門士等を習得。2012年より

潤和会記念病院リハビリ科に勤務するかたわら、2014年より日本認知症ケア学会九州沖縄2地域部会長に就任。認知症ケアの講演・啓蒙活動を本格化させましたが、コロナ蔓延により講演活動ができなくなると、2021年3月より認知症ケアYouTube「まなぶチャンネル」を開設。2年間で100本、28時間の動画を配信してきました。また今年11月24日、福岡市のアクロス福岡で開かれる同学会の日本認知症ケア学会九州ブロック大会の大会長を務めておられます。この日はそんなご多忙の合間を縫って、本大会の教育講演に登壇して下さいました。

YouTubeで配信中の「まなぶチャンネル」は認知症に関する講義がスライド形式でわかりやすく進められています。また田代先生は郷土歴史研究家としても知られ、宮崎県の風土地処理の歴史を紹介する動画もあって、学びどころ、見どころ満載です。

(つづく)

開催しました!「九州大会inみやざき」(その8)

東憲太郎会長の基調講演はその後「LIFFEを活用した質の高い介護」、「リハ・口腔・栄養の一体的取組」、「医療と介護の連携の推進(含む医療提供機能の強化)」、「新たな地域医療考想等に関する検討会」、「規制改革推進会議」と進みました。

この中で「医療と介護の連携の推進(含む医療提供機能の強化)」では、その重要性がますます高まっていることに触れた上で「医療機関はこれまで老健に興味がなかった所も多く、大きな認識のずれがあると思います。いつも満床だと思っている人も多いのではないでしょうか。『老健は認知症にも強く、リハビリテーション機能もあり、医療機能もあり空床もありますのでいつでも受けられます』と丁寧に説明するなど努力しないと稼働率は上がってきません」と、各老健施設の営業努力の必要性を訴求しました。

 最後に今年5月に全老健が実施した「令和6年能登半島地震」の被災地視察の報告がありました。今年の1月1日16時10分に発生し、石川県で震度7の揺れを観測したマグニチュード7.6の地震について「本当に悲惨な状況でした」と切り出した東会長、「ある意味(東日本大震災での)東北よりひどい。なぜなら東北は上からも下からも、東からも西からもアプローチができたので復興が早かったです。それに対して能登は下からしかアプローチできません。大きい港もないから海からもアプローチできません。道路は寸断されてがたがたでした。そこが今やっとつながったところです。倒壊した家屋は全然片付けられていません」とスライドでその惨状を紹介。損壊が激しく、再開不能となった老健施設もあること知り、参加者は言葉を失いましいた。

この震災に対し、全国の会員、都道府県支部から支援金が寄せられたことに感謝し、そして集められた支援金を被害があった施設に分配したことを報告するとともに、被災地へのお見舞いの言葉を述べて、基調講演は締めくくられました。

(つづく)

開催しました!「九州大会inみやざき」(その7)

「令和6年度介護報酬改定と老健施設の今後の在り方」と銘打った、全老健東憲太郎会長の基調講演。「DXがもたらした効果」というスライドがスクリーンに示されました。

 それによると(1)記録業務60パーセント以上削減、(2)居室環境の見直し、(3)夜勤業務の負担軽減(巡視70パーセント減)、(4)家族へのスムーズな連絡、(5)同意が早くもらえる(サインレス、押印なし)により、①利用者との関わり増、②情報共有の効率化・質向上、③ペーパーレス、④就職希望の魅力になる、⑤離職を防ぐ・・・などの効果があるとのこと。この中で④については「いこいの森に今年入った介護福祉士が『こういうのを見て就職を決めました』と言っていました」と説明に、参加者は身を乗り出して聞き入っていました。

 そしてこれらのデジタル運用に係るコストを示すとともに、「令和6年度介護テクノロジー導入支援事業〔地域医療介護総合確保基金(介護従事者確保分)」について説明を始めました。これはこれまでの「介護ロボット導入支援事業」および「ICT導入支援事業」を発展的に見直した事業で、介護人材の確保が喫緊の課題とされる中、介護ロボットやICT等のテクノロジーを活用し、業務の改善や効率化を進め、職員の業務負担軽減をはかり、直接的な介護ケアの業務に充て、介護サービスの向上に繋げていく介護現場の生産性向上を推進する一度として、介護業者テクノロジーを導入する歳の経費を補助し、生産性向上による働きやすい職場実現を推進する事業。

 ただし事業の実施主体である都道府県によりこの事業の計上額には大きな差があり、1施設当たりの予算額も大きな開きがあり、老健や特養の数から考えて、ICT導入には全く足りない県が多く、十分な取り組みができていない現状があることを指摘。その上で「令和6年度補正予算でのこの予算の積み増しについて、都道府県議会会員などへの要望活動が必要です」と訴えました。

(つづく)

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