協会活動報告

第15回大会開きました(その10:研究大会レポート1)

基調講演終了後、午後からは研究発表に移りました。今大会には28題の研究発表が寄せられました。発表は6つの分科会が3つの会場で行われ、座長の円滑な進行のもと、演者と会場が一体となった熱心な質疑が交わされ、情報と問題意識が共有されました。その様子を3回に分けて写真(コラージュ)でレポートします。

【第1分科会「介護・看護①」の様子】

【第2分科会「リハビリテーション①」の様子】

(つづく)

第15回大会開きました(その9)

 一方、介護助手モデル事業に取り組んで見えてきた「介護現場の変化」も紹介されました。これはモデル事業を実施した老健施設の介護職員、事務長、管理職を対象に行ったアンケートによるものです。

 「周辺作業負担が軽減され、利用者へのケアの質が向上してきた」、「リスク軽減につながっている」

介護助手一人(の導入)で直接介護に関わる時間が一日あたり190分増加した」、「介護職の残業時間が削減された」、「最も大きな変化は、介護職員たちが自ら専門性をつけたいという意識が強くなってきた」などといった様々な効果がスライドに示されると、参加者は食い入るように見つめながら説明に聞き入っていました。

 「うちの施設に介護助手は20名います。介護職員は27名で、休みは週休2日ぎりぎりですが、誰も辞めないし、『働きやすい』と言います。『介護助手がいっぱいいるから雑用しなくていいし、残業しなくていい』と言います。三重県では25の老健が介護助手を導入しており、離職率は導入前の12パーセントから5パーセントに減りました」と力説する東憲太郎全老健会長。介護助手は現在25都道府県で広まっており、全国への普及に更なる意欲を示し、講演を締めくくった東会長に会場からは感謝の拍手がおくられました。

 今大会のテーマである「老健、大改革!~『強い老健』を目指して~」を受け、熱弁をふるって下さった東会長の基調講演は、この大会テーマを実現のために老健が進むべき方向性を具体的かつ詳細に示して下さったものでした。また講演終了後も、東会長は会場を回りながら参加者の質問に個別に答えるなど、懇切な対応して下さり、大変有意義な講演となりました。

(つづく)

第15回大会開きました(その8)

  東憲太郎会長の講演はさらに「介護老人保健施設リスクマネジャー」、「化学的介護の評価」、「認知症社会への対応」、「介護人材の処遇改善」などを経て、先に述べた「介護助手」について詳しく話し始めました。

 三重県老人保健施設協会では地域医療総合確保基金を活用した「元気な高齢者が支える超高齢化社会『モデル事業』」を実施。その意義は(1)介護職の業務を切り分け細分化し、その細分化した業務のうち、比較的簡単な単純作業の部分を担う「介護助手」という考え方を導入、(2)その「介護助手」の担い手として、元気高齢者を起用・・・の2つで、かつて「看護助手」の導入により、看護婦が専門性を高め、社会的地域が向上(さらに「看護婦」から「看護師」への改名にもつながった)したことを踏まえて取り組んだとのこと。

 実施に当たっては新聞折り込みチラシで事前説明会の開催を告知したところ、高い関心を集め、8つの説明会会場はいずれも定員一杯。参加した計251名のうち178名が申し込みを行い、その中から57名を採用、事業実施になったそうです。

 そして「介護助手」として働いてみた元気高齢者の感想として、「75歳になってまだ自分が働けるとは思ってもいなかった。人生に張り合いができた」、「自信がついた。少しずつ体も鍛え、これから社会や人のために役立ちたいと思うようになった」、「再び『働ける』ことの充実感を改めて感じた。働きにくることで元気をもらえた」など、介護助手となった元気高齢者本人にとって素晴らしい成果がみられていることを、東会長は胸を張って強調しました。

(つづく)

第15回大会開きました(その7)

 東会長は平成25年度から同28年度にかけて延べ32カ所、525名に実施した介護予防サロンのモデル事業について説明を続けました。体操をはじめグランドゴルフ、ハンドベル演奏の他、「お好み焼き作り(大阪)」、「梅ヶ枝餅作り(福岡)」など地域色豊かな取り組みが紹介されたあと、介護予防サロンの効果として、(1)いきいきとした(意欲の向上)、(2)新しい人とのつながりができた(関係性の創出)、(3)昔の趣味を共有できた(個性の発現)、(4)サロンの開催が楽しみになった(生活リズムの創出)・・・の4つが、参加者の声とともにスライドに示し、サロンには多様な有用性があることを力説しました。

 「運転免許返納を考えている高齢者もいる中、私の施設では『お買い物クラブ』というものを考えていて、現在準備中です」と東会長はさらに続けました。「色々な理由で買い物ができない人を、年会費を1000円で買い物に連れて行くというものです。デイケアの車を昼間使用し、曜日を決めて回り買い物をしてもらいます。また年に2回くらいは花見などの企画を考えています。生活の手段である買い物を老健が手助けする、これが本当の在宅支援です。お買い物クラブに登録してもらう人はいずれフレイルになる。すると今度は介護予防サロンに来てもらう。さらに悪くなったら私の施設の介護保険サービスを使ってもらうわけです。なのでフレイルの人や健康・自立の人を考えてもらうことが大事です。政府は認知症の人の運転免許を取り上げ、そのために自動運転の車を走らせようとしています。大変なお金がかかります。それよりも老健の送迎車でお買い物サービスをしてやるとお金はかかりません。そのことを老健から発信していくことが大切です。老健が介護予防サロンをやると色々な効果がありますが、難しいのは対象者をどうするか、フレイルの人をどうやってみつけるかということです。だからお買い物クラブをやって欲しいと思います。2つを切り離すのではなく一緒にやって欲しいと思います」と、「介護予防サロン」と「お買い物クラブ」を連動させた地域貢献活動が、真の老健の未来への投資になることを説く東会長に、参加者は自施設での実践を念頭に置きながら真剣な表情で耳を傾けていました。

(つづく)

第15回大会開きました(その6)

 「平成30年度介護報酬改定後の取り組むべき方向性について」と題し基調講演を続ける全老健の東憲太郎会長。「地域に貢献する活動イコール老健施設の未来への投資です」と切り出し、地域貢献活動について説明を始めました。そこで取り上げたのが「要介護状態になることを予防したり、生きがいや自己実現のための取り組みを支援したりすることで、その人らしい豊かな生活の実現を目指す活動」である「介護予防サロン」。

 「(介護保険は)要支援から要介護の人に報酬がつきます。お金をもらって老健は成り立っています。しかし今からはフレイルの人、そして健康・自立の人にも老健が進出することが重要です。理由はいくつかありますが、大きな理由の一つは未来への投資、利用者の囲い込みです。こういう報酬のないところで関わると、必ず関わった老健を利用するようになります。冒頭に『在宅支援がキーワード』と言いましたが、要介護認定を受ける前の人にも、『買い物に行けない』、『バスがない』、『重い物を持って帰れない』など、生活に支援を必要としている人がいます。また日本語で『虚弱』を意味するフレイルの人、たとえば要介護認定には早いけれど『よく忘れるようになった』、『よく転ぶようになった』という人に老健は何ができるでしょうか。それに対して私は『介護予防サロン』を提唱したいと思います。報酬はついていませんが、これは老健が本来するべき地域貢献です」と訴えると、参加者は高い関心を払って聞き入っていました。

(つづく)

第15回大会開きました(その5)

それを踏まえて東会長は「在宅復帰・在宅療養支援」の考え方に基づく平成30年度報酬改定について解説していきました。

 改定前は老健施設の在宅復帰支援機能が「在宅復帰率」「ベッド回転率」「重度者要件」の3つの指標により3類型で評価されており、「従来型」から「在宅支援加算型」、さらに「在宅強化型」へと上るには「厳しい1本道、山を登るのも重装備だった」と表現。

これに対して改訂後は10項目の指標の様々な組み合わせにより5類型となった「その他型」から「超強化型」への移行を「様々なルートを選定できる。軽装備でも上れる」と説明しました。

そして「点数の撮り方も大事ですが、算定要件が大事ですので注意して下さい」として、「『リハビリテーションマネジメント』はリハビリ職だけではなく、全部の職種がリハビリに関わること」、「『地域貢献活動』は夏祭りをするだけではなく、夏祭りで認知症予防教室をやる事などが必要で、老健の地域貢献活動は今後重要になってくる」、「『充実したリハ』はケアプラン、リハビリテーション計画書にきちんと計画されていることが大前提。『20分程度、週3回程度以上』とあるが、調子が悪くなり18分でやめたとしても構わない。ただし『切り売り』して合計20分というのはだめ」など、そのポイントなどについてスライドを用い、事例も交えながら注釈を加えていきました。

さらに収支シミュレーションを解説する中で介護の担い手を増やし、介護職員の労働環境を充実するとともに、介護職の専門化にも役立つ介護助手の採用や、全老健が老健でのケアを老健の理念にかなったものにするべく開発された全老健版ケアマネジメント方式「R4システム」の導入を推奨しました。

引き続き「かかりつけ医連携薬剤調整加算」、「所定疾患施設療養費」、「生活機能向上連携加算」などについて説明がありました。

(つづく)

第15回大会開きました(その4)

 続いて東会長は「老健施設の定義が変わる!」というスライドを示して「老健ができて30年を過ぎましたが、介護老人保健施設の定義が変わったのは初めてです」と介護保険法第8条に定める老健の定義が次のように変わった事を説明しました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【介護老人保健施設の定義:介護保険法第8条】

《改定前》

「介護老人保健施設とは、要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行う事を目的とする施設」

《改定後:平成29年6月2日公布》

「介護老人保健施設とは、要介護者であって、主としてその心身の機能の維持回復を図り、居宅における生活を営むための支援を必要とする者に対し、施設サービス計画に基づいて看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 「これまで運営基準(省令)で老健の在宅復帰については定義づけされていましたが、今回の改定ではその上位概念である介護保険法(根拠法)によって『在宅支援』が、明示されました。介護報酬改定もこれに基づいて変わりました。在宅支援のためにお金をつけるということです。在宅復帰は小さいです。『在宅支援』を頭にぶち込んでおいて欲しいと思います。キーワードは『在宅支援』です」と、老健が在宅支援(と在宅復帰)の地域拠点となる施設であり、リハビリテーションを提供する機能維持・回復の役割を担う施設であることを強調しました。

 (つづく)

第15回大会開きました(その3)

 開会式に続き、続いて基調講演「30年改訂後の取り組むべき方向性について」に移りました。講師は公益社団法人全国老人保健施設協会(全老健)の東 憲太郎会長。ご多忙の中を縫って来県いただきました。

三重県老人保健施設協会の会長も務められている東憲太郎全老健会長は子供時代、宮崎県内の学校で学ばれた事もあり、本県にはとりわけ深い親近感を覚えられている様子で、長旅の疲れも見せず、にこやかな笑顔で会場に語りかけはじめました。

東会長は平成30年度の介護報酬改定に当たり、東奔西走の活躍をされました。講演ではまずその様子が紹介され介護関係団体が一致団結し、「介護の現場を守るための署名」181万筆を超える署名を集め、財源確保の要望書を官房長官、財務大臣、厚生労働大臣に提出。その努力が奏功し6年ぶりのプラス改定となりました。「0.54パーセントのプラス改定。これは大変大きいです。マイナスになるかもしれないし、診療報酬改定0.55パーセントの半分くらいになればいいかと思っていたらこの数値になりました。今後も老健だけでなく介護関係団体が一致団結して、財源を確保することが大事です」と、奔走の様子を紹介した新聞記事や写真を紹介しながら、今後も「介護離職ゼロ」達成に向けて介護職員の処遇改善を推進するため、介護関係団体が結束して要望活動を継続し、財源を確保することの重要性を訴えました。

(つづく)

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