協会活動報告

研修会開きました(ケアプラン部会:その7)

 7つに分かれたグループワークでは「脳梗塞で左片麻痺を呈し、入院中の転倒により第1腰椎を圧迫骨折して歩行困難になった入所利用者の男性」という事例に基づき実際にケアプランの策定を行いました。「元気になって家で暮らしたい。杖で歩けるようになりたい」という本人の意向や、「トイレや身の回りのことができるようになったら連れて帰りたい」という家族の要望を踏まえ、対象者の心身の状態、日常生活活動の現状をチェックしながら、各グループで意見を出し合いました。

 今回の研修会では(1)食事・水分摂取に関するケア、(2)排泄に関するケア、(3)入浴・清拭等に関するケア、(4)洗面、口腔清潔・整容・更衣に関するケア、(5)基本動作・リハビリテーション等に関するケア、(6)医療・健康に関するケア、(7)心理・社会面に関するケア・・・という7分野のケアチェックを各グループに振り分け、サービス計画書を作成しました。

 どのグループもほとんどが初対面で、職種や年齢、経験年数も異なる受講者同士でしたが、熱心な意見のやりとりを通じて利用者の意欲を引き出せる「ポジティブプラン」を作っていきました。

 そのグループワークのスナップをアップします。

【グループワークスナップ(1)

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(つづく)

研修会開きました(ケアプラン部会:その6)

 726日、JAAZMホールで行われた包括的自立支援プログラム策定研修会。午後からはグループワークに移りました。52人の受講者は7つのグループに分かれ、自己紹介に続き司会進行、発表、書記を決めて事例に基づきケアプランの策定を行いました。

 それぞれのグループには研修会を主催し、企画・運営の全てに当たった協会高齢者ケアプラン研究部会の原貴子副委員長をはじめ、委員4名がファシリテーターとしてつき、必要に応じて助言を行いました(カッコ内は所属施設名)。

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〔↑原 貴子 副委員長(相愛苑)〕

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〔↑小野 美穂子 委員(菜花園)〕

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〔↑宮田 委員(並木の里)〕

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〔↑竹内詠規委員(しあわせの里)〕

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〔↑郡 裕子 委員(ひむか苑)〕

(つづく)

研修会開きました(ケアプラン部会:その5)

 このようにして作成された利用者本位の「ポジティブプラン」ですが、それが計画通りに実施されていなければ机上の空論。「ケアプラン通りに実行できたかできなかったか。実行できなかったとすればそれはなぜか。どんな要素が秘められていたのか。無理がなかったか。などを定期的に見ていくのがモニタリングです。このモニタリングの際、どのような視点をもっていくかが大事です」と高齢者ケアプラン研究部会の原貴子副委員長。モニタリングに必要な要素について、次の6点を挙げました。

 

(1)生活課題の充足度

(2)目標の達成度

(3)サービスの適切性(生活課題に対応したケアが提供できているか)

(4)利用者および家族の満足度

(5)ケアマネージャーやサービス担当者会議の活動評価

(6)新たな生活課題が生じていないかのアセスメント

 

 その上で「これらのためにも漠然と『安心して〇〇できる』とか『安全に〇〇できる』だけではなく、距離や時間、回数を数値化し、実施曜日、場所を明記するなど、具体的に目標が立ててあるとモニタリングがしやすくなります。皆さんも施設に帰ったらケアプランを確認し、見直しをしてください」と呼びかけました。

 続いて指定様式として「第1表:施設サービス計画書(1)」、「第2表:施設サービス計画書(2)」、「第3表:週間サービス計画書」、「第4表:日課計画書」、「第5表:サービス担当者会議の要点」、「第6表:サービス担当者会議に対する照会(依頼)内容」、「第7表:施設介護支援経過」について、これらの全てが揃っていなければならず、どれか一つが欠けても実地指導で確実に指導を受ける重要なものであることをおさらいして講義が終了。いよいよグループによるケアプランの策定作業に入りました。

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(これから実際にプランを作るとあって、皆真剣に耳を傾けていました)

(つづく)

研修会開きました(ケアプラン部会:その4)

 課題標記の方法に続き、長期・短期目標の設定方法について、次のように説明がありました。

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(1)利用者および家族と共に目標を考える

(2)課題(ニーズ)に対するサービスを提供した場合、〇ヶ月後にはどのような状態となっているかをイメージする

(3)利用者および家族と共に達成できたか、現状はどのような状況かを判断するための具体的な内容とする。できれば数値化が理想である。

(4)課題(ニーズ)に対するサービスを提供し、短期目標を達成し続けた結果、〇ヶ月後にはどのような状態となっているかをイメージする(長期目標)。

 基本的には個々の課題(ニーズ)に対して設定する。また利用者も支援を受けながら達成する到達点とする。

(5)援助目標は、「援助する上での目標」すなわち援助側の目標である。したがって、援助する者として、専門的な判断により設定するものとする。

(6)援助する上での目標は「援助した結果どうなるか」を示すものである。「援助によって利用者が〇〇のような生活を送ることができるようになる」、「○○することができる」というように利用者本人を主語としてとらえる必要がある。

(7)援助目標は、サービスする側の目標であるからといって、「〇〇というケアをする」とならないようにする。「利用者の状態像」を記述するところである。

 

 特に目標設定については、「『転倒なく歩けるようになる』というのではなく、『施設の中で5メートル歩けるようになる』、『杖をついて〇〇メートル離れた店に一人で行ける』など、できるだけ数値化して具体的に書いて下さい」と述べた上で、「そのためにどのような訓練をするか?生活場面ではどのようなことをするか?誰が担当し、何曜日と何曜日の何時から実施するか?など具体的に書いて下さい。実行できないといけないわけですから、確実に実行できるためにはどうやればいいかを考え、作成してください。期間も具体的に『〇〇月〇〇日から〇〇月〇〇日まで』と明記して下さい」と、ケアプランが「絵に描いた餅」にならないよう、具体的で客観的なものにする必要性を強調しました。

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(つづく)

研修会開きました(ケアプラン部会:その3)

 「このように7つの分野からなるケアチェック表を煮詰めていくと、それをチェックするだけで計画書ができあがるのが包括的自立支援プログラムの特徴の一つです」と高齢者ケアプラン研究部会の原貴子副委員長。引き続き施設サービス計画書の記入方法について説明を始めました。7つのグループに分かれた受講者は真剣に聞き入りました。

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 施設サービス計画書(1)には利用者や家族の生活に対する意向や総合的な援助方針を記入するもの。利用者や家族が施設の中でケアを受けながら、どのような生活をしたいと考えているかについて、アセスメント(課題分析)の結果を記載するのがポイントで、「『(本人)自分で歩けるようになりたい』、『(家族)父の思いを尊重したい』など、できれば本人や家族の言葉をそのまま記入してください」とのことでした。また、援助方針は利用者および家族を含むケアチームが目指す共通の方針を記入するもので、「ケアマネージャーの個人的な考えや方向性を書くものではなく、ケアチームとしての総合的な方針を記載するものだということを、しっかりおさえておいて下さい」と念を押しました。

 なお、先に施設サービス計画書(2)を書いた上で、施設サービス計画書(1)を作成するという流れにした方が、長期目標との整合性がとれ、連動させていきやすいとのことでした。

 施設サービス計画書(2)は、「ケアチェック表をそのまま書けばいい」としながらも、課題(ニーズ)については次のように表記することで「『ご用聞きプラン』ではなく、『ポジティブプラン』にしていくことができます」と強調しました。

 

(1)原則は困った状況を改善して、望む生活をしたい

→「○○したい」、「○○できるようになりたい」

(2)利用者がサービス利用を希望する場合には、その要因や背景を記入する

→「○○なので○○したい」(「室外へ出るときに転倒の不安があるので歩行器を借りたい」など)

(3)困難さを全面的に訴える場合

→「○○であるが○○できるようにしたい」、「○○であるが○○にならないようにしたい」(「転倒を減らし、骨折しないように生活したい」など)

(4)本人の訴えがない、認知症や廃用が進行して寝たきりの場合など

→「○○であるが、○○にならないようにしたい」、「○○なので、○○したいと判断した」

(5)疾患の予防や処置など、医学的な知識がないと理解しにくい課題がある場合

→「○○の再発予防が必要です」、「○○なので○○の必要性があります」

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(つづく)

研修会開きました(ケアプラン部会:その2)

 「1.食事・水分摂取に関するケア」、「2.排泄に関するケア」、「3.入浴・清拭に関するケア」、「4.洗面、口腔清潔・整容・更衣に関するケア」、「5.基本動作・リハビリテーション等に関するケア」、「6.医療・健康に関するケア」、「7.心理・社会面に関するケア」の7つの分野にわかれているケアチェック表。それぞれについて「ケア内容」、「ケア提供の場所/使用用具等」、「要介護者等の健康上や生活上の問題点及び解決すべき課題等」が細かく記載され、全てのケアが網羅されているだけでなく、本人の訴えや家族の要望もくみ入れやすいという特徴を踏まえ、原貴子副委員長は次のように記入要項を説明しました。

 

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(1)サービス提供機関が行っている全てのケアについて、「提供」の欄に○を記入する。サービス機関が複数にわたる場合は、記号を○△□などで区別して記入する。

(2)家族が提供しているケア内容がある場合は、「家族」の欄に○を記入する。

→要介護者に対して誰がどのようなケアを行っているかを明らかにする。

(3)「ケアの提供場所/使用用具」について○と種類の記入を行う。

(4)「要介護者等の健康上や生活上の問題点及び解決すべき課題等」を記入する。

→明らかになったケア内容や場所、用具等を照らし合わせ、該当するものがないか検討する。

(5)チェックした項目について、番号とともに具体的内容を記述する(ニーズの文章化、短期目標の設定)

(6)これら一連の作業を7分野にわたり記述し、立案する項目の検討を行う。

(7)立案にチェック後、解決すべき課題の優先順位を検討する。

 

 その上で(7)の「解決すべき課題の優先順位」について原副委員長は「まずは『緊急度』。命に関わることが最重要課題です。本人に苦痛や痛みなどがあると、まわりがいくら『頑張ってやろう』と言ってもできません。ですからそれを解決してやることが大事です。その次に考えるのが『必要度』。本人や家族の希望や介護量の軽減、日常生活活動能力の維持のために必要かどうかを考えて下さい。3番目が『実現可能性』です。在宅生活の維持や将来的に解決すべき課題、QOLの向上などがそうであり、これらの事をそれぞれの項目に当てはめながら検討していって下さい」とポイントを示しました。

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(つづく)

研修会開きました(ケアプラン部会:その1)

 (公社)宮崎県老人保健施設協会高齢者ケアプラン研究部会は726日、宮崎市のJAAZMホールで包括的自立支援プログラム策定研修会を開きました。

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(会場となったJAAZMホール)

 今回の研修会は、ケアプランを策定したことがない人や、今ひとつ自信がない人、疑問や質問を抱える人などが対象に開催したもので、会員老健施設や特別養護老人ホーム、グループホームなど52人が受講しました。予定していた会場が手狭に感じるくらいの参加者数となり、「ポジティブプラン」の作成と実践を通じて、利用者本意のケアを提供しようという気概の高まりがうかがわれました。

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52人を7つのグループに分けた会場、すし詰め状態にあと一歩!という状況でした)

 研修会は部会委員の自己紹介に続き、帳簿類の説明とサービス計画書に関して、同部会の原貴子副委員長(相愛苑)が説明。包括的自立支援プログラムの特徴として、次の3点を示しました。

 

(1)要介護認定と連動している。「介護サービス調査票」がプログラムの一部である。認定アセスメントをそのままケアプラン策定に活用でき、効率性を確保できる。

(2)具体的ケアを検討「ケアチェック表」の活用

・・7つの分野にわかれていて、実際に提供しているケアがスタッフ、家族にわかりやすい。標準的ケア(参考値)を統計的に推測し、ケアの質を確保しやすい。提供している全ケアを網羅している。本人・家族の要望も反映できる。自立とQOLを支援するため「代替ケア」にも配慮している。

(3)在宅での使用を想定している

・・・社会的要因が抽出可能。サービス提供機関、家族の役割を明確化している。

 

 続いて、同プログラムを構成するものとして、(a)介護サービス調査票、(b)かかりつけ医の意見書、()在宅復帰と在宅支援の検討、(d)ケアチェック表・・・の4つを示し、その記入方法の説明に入りました。

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(原副委員長の説明を、受講者は真剣に聞き入っていました)

(つづく)

栄養・給食研修9月に延期

 給食研究部会が710日(木)、14時から宮崎市の介護老人保健施設ひむか苑会議室で予定していた研修会は、台風8号接近のため開催延期を余儀なくされました。

 その後同部会関係者で9月中に開催する方向で、現在日程等を調整中です。詳しい日程などにつきましては、決まり次第改めてお知らせいたします。

ケアプラン研修土曜日です

 726日の土曜日は、当協会高齢者ケアプラン研究部会による包括的自立支援プログラム策定研修会が、宮崎市のJAAZMホール別館301研修室であります。時間は10時から16時まで。

 この研修会はケアプランを策定したことがない方や、いまひとつ自信がない方などを対象に、講義やグループワークなどを通じてわかりやすく学んでいくもので、同部会が例年開催しているものです。今回は50人を超える参加申込があり、参加者間の交流や情報交換など、真剣な中にもわきあいあいと、そして有意義な研修会になるものと期待されます。

 研修会の模様は後日、このホームページ上でもレポートする予定です。参加を予定されている皆様は、どうぞお気を付けてお越し下さい。

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