全国大会埼玉開かれました(その6)

 演題発表は18日と19日あり、口演とポスター合わせて1100を超える演題がエントリーされました。

 「リスクマネジメント」、「レクリエーション」、「リハビリテーション」、「食事(栄養)」、「認知症」、「排泄」、「医療と看護介護」など、それぞれのテーマに分かれて行われた発表は、会場に人が入りきれない分科会も数多く見られました。いずれの発表もそれぞれの施設で持ち上がった課題や問題に対し他職種が連携し、様々な視点から原因を究明し対策を講じ、問題解決を図ったり、ケアの質向上や経営効率アップにつながったり、利用者のより良い在宅復帰・在宅生活支援につながったりするといった素晴らしいものばかりでした。これに対して会場を埋め尽くした参加者からは自施設での現状を踏まえた質問が相次ぎ、熱心な意見と情報のやりとりが続くなど、大変有意義な演題発表となりました。

(つづく)

全国大会埼玉開かれました(その5)

 全老健の漆原 彰名誉会長はこのように老健が誕生して30年余り、その間諸問題を一挙に解決する大きな役割を果たしてきた実績を回顧しつつ、「しかしこの30年で世の中は大きく動きました」と述べて、「時代とともに変わった高齢者介護の姿」というスライドを示しました。その中で(1)高齢者像の変化、(2)地域や家族の変化(地域や家族の変化や想い)、(3)介護保険サービスの量的拡充(競争原理)、(4)国の財政を中心とした社会的保障政策・・・の4点を挙げ、それぞれについて説明がありました。

 このような情勢変化を踏まえ、漆原名誉会長は「地域に選ばれる老健になるために」と題し、次のような提案を掲げました。

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○高齢者の多くは在宅で生活、またはそれを望んでいる(圧倒的な在宅高齢者)

○老健の魅力は医療・リハビリテーションと総合力

○介護老人保健施設は「在宅生活支援施設、求められる多機能化・連携強化

○質の高いサービスが大前提、揃えておきたいサービスメニュー

○相談体制の充実(総合在宅生活支援センター機能)

○問われる「選ばれる・・」へ→全て相手の立場、相手の目線で対応

・本人以上の家族支援の視点(複雑な心情をまるごと受容)

・NOと言わない

・緊急時・困ったときの保証

・営業範囲は小さい。最も大事な評判・口コミ

・地域・介護家族にも言われたい「うちの施設は・老健は・・」

☆ケアの質も量も・・「人は宝」老健施設に限らず、これからの人材不足の中、「職員に選ばれる施設」になる取り組み

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 そして、「老健はたくさんの昨日を持っています。質の高いサービスを提供しています。それを前提にして明日からでもすぐ実行できることとして3つを提案します。まず『必要な事の即対応』。家族が相談に来たときにすぐ対応できるようにすることです。次に『NOと言わないこと』。そのためには施設の機能を超えていても対応でき、何らかの答が出せるように、あらかじめ地域連携しておくことが大事です。それから緊急時、困ったときの保証です。この3つがちゃんとできれば効果絶大であることは実証済みです。是非帰って検討して欲しいと思います。地域や家族に『うちの老健は・・・』と言われるようになったらしめたものです。また人は宝です。人材不足の中、職員から選ばれる施設にもなって下さい。老健がこれからも老健らしくやるために役割を果たし、相手の目線でまるごと応えることが最も大切だと思います」と会場に呼びかけて講演を締めくくると、参加者からは割れんばかりの拍手がおくられました。

(つづく)

全国大会埼玉開かれました(その4)

 特別講演に続いて「全老健名誉会長講演」がありました。講師は全老健の漆原 彰名誉会長。漆原名誉会長は平成元年12月の全国老人保健施設協会創設時から常務理事・副会長として協会運営に携わり、平成15年から19年にかけて会長、平成19年からは名誉会長を務められています。

 漆原名誉会長は昭和44年に医師となり、日本医科大学附属病院老人科に入局。12年間そこで働く中で「患者さんを診療するというより、高齢者医療のあり方ばかり考えていました」と切り出しました。「寝たきり老人」が増えるのを目の当たりにしながら、医療の目的は病気を治すだけでなく、在宅や地域社会に戻すことが重要で、「老人福祉の現場には医療がもっと関わらないといけない」と考え続けていたそうです。

その上で「老人保健施設の原点と、時代背景」というスライドを示し、昭和60年当時、(1)高齢者の介護は自宅や福祉施設、そして病院、(2)家庭での介護力低下(3)在宅ケア支援サービスの絶対的不足、(4)低い介護の質、(5)退院する場のない高齢患者(社会的入院)、(5)進まない医療・福祉の連携、(6)増え続ける寝たきり老人と、その医療費の増加・・・といった様々な状況を一挙に解決する中間施設構想が持ち上がり、老人保健施設制度が創設されたことを振り返りました。

 これに先立ち昭和56年に大宮共立病院を開設、昭和59年社会福祉法人欣彰甲斐を設立し、病院を中心とした各種施設による医療、介護、福祉の複合施設群を形成し、地域作りに取り組んで来た漆原名誉会長は「老健そのもの以前から関わることができたのは幸運でした。老健は非常に愛着ある施設です。老健との関わりが私のライフワーク」と目を輝かせました。

(つづく)

全国大会埼玉開かれました(その3)

 開会式、表彰式が終わり、「介護をめぐる課題と展望」と題し、厚生労働省老健局の大島一博局長による特別講演がありました。

 まず「介護サービスの市場を作る」、そして「介護を社会化する」を大目標に西暦2000年に導入された介護保険について、サービス利用者の推移やわずか24年で高齢社会に突入した我が国の現状、また家族形態が変化し単身化が進んでいることおよび4割近くが非正規雇用になっている雇用環境の変化などについてスライドを用いて説明がありました。

 その上で今後の見込みについて、人口減少が進み2100年には明治時代の水準になるものの、その構成比率は大きく異なり高齢者は2040年まで増え続けることに触れながら「全世代型社会保障」の重要性に言及。その柱として(1)少子化克服のための待機児童対策、働き方改革、子育て費用の軽減、(2)人生100年時代を見据えた「複線型人生」のための生涯現役の応援およびその基礎となる健康長寿、リカレント教育(学び直し)の普及、働き方に中立な社会保障(社会保険の適用拡大)、(3)世代間バランス、世代内バランスなど給付と負担のバランス・・・の3つを挙げました。

 それらについて説明を加えながら講演が進み、大島局長は介護保険のあり方として「もとの暮らしに戻ることへの支援」、「生活課題の解決への支援」、「自分でできることを奪わないケア」を示し、そのために他職種によるケアプラン検討会・勉強会や地区分析と住民出前説明会、要介護認定申請に隠れたニーズの発見と対応、他分野への展開などといった取り組みの必要性を強調しました。

 地域包括ケアシステムの整備を縦軸に、そして地域作り(地域共生社会)を横軸にした総合的な取り組みを展開する中で、介護老人保健施設の果たすべき役割の重要性を再認識することができた、大変有意義な講演となりました。

(つづく)

全国大会埼玉開かれました(その2)

 開会式に続き表彰式がありました。

表彰は「平成30年度介護老人保健施設事業功労者厚生労働大臣表彰」、「平成30年度公益社団法人全国老人保健施設協会表彰」、「第28回全国介護老人保健施設大会 愛媛in松山演題発表優秀奨励賞表彰」の順で行われました。

このうち本県からは「演題発表奨励賞」において全老健宮崎県支部が発表した口演、「広めよう!介護が教えてくれたこと~『マンガでわかる介護のしごと』作成への取り組み」が受賞しました。

(↑受賞を記念し授与されたトロフィー)

(つづく)

全国大会埼玉開かれました(その1)

 第29回全国介護老人保健施設大会埼玉が10月17日から19日にかけて、ソニックシティ・パレス大宮をメイン会場に開かれました。主催は公益社団法人全国老人保健施設協会(全老健)。同埼玉県支部が運営にあたりました。「彩ろう!豊かな高齢社会を ~老健は地域づくりの担い手です~」のテーマのもと全国から4,500人が参加。講演やシンポジウム、そして研究発表などを通じて研鑽を積み、交流を深め合いました。

 開会式は18日、ソニックシティホールでありました。

(メイン会場のソニックシティホール)

(↑開会宣言を行った荒舩丈一大会実行委員長)

(↑挨拶にたった小川郁男大会会長)

(↑主催者を代表し、公益社団法人全国老人保健施設協会の東 憲太郎会長が挨拶しました)

(↑大会には数多くの来賓がお見えになりました。写真は来賓祝辞を述べられる大口善徳厚生労働副大臣)

(↑同じく来賓の上田清司埼玉県知事。全国からの参加者に来県を歓迎するとともに同県の高齢化の現状に触れつつ、大会が有意義なものとなるよう激励の言葉がありました)

(つづく)

「介護未経験者向け基礎講座」スタートしました(県長寿介護課)

 県では、介護人材の確保の一環として「介護未経験者向け基礎講座」を実施中です。

 これは「介護分野での就職を選択肢とされているものの介護が未経験の方や、介護に関心をお持ちの方を対象に、介護に係る基礎的な知識、技能の習得から現場での実習までを内容とする講座」で、10月18日を皮切りに来年3月まで県内5会場で実施されます(それぞれ3日間開催、受講料無料、ただしこの講座で資格が取得できるものではありません)。

 くわしくは県長寿介護課ホームページ「介護未経験者向け基礎講座」、また介護未経験者向け基礎講座案内チラシもありますのでご参照下さい。

【この講座に関する問合せ先】

○宮崎県福祉保健部長寿介護課施設介護担当

〒880-8501 宮崎県宮崎市橘通東2丁目10番1号

電話:0985-26-7058

ファクス:0985-26-7344

「老健みやざき第37号」アップしました!

 当協会の広報誌「老健みやざき第37号」PDFファイル(7.25MB)をアップしました。

 今回は当協会会長、櫛橋弘喜の「巻頭言」を掲載。2025年に向けた老健施設のあり方などについての提言を載せています。

 また表紙は串間市都井岬の夏の夜空を幻想的に飾る、大蛇退治の伝説をもとにしたと言われる「都井岬火祭り」。そして星空の下の野生馬も掲載しました。そのほか当協会および協会各部会の活動報告なども紹介しています。

 「老健みやざき第37号」(PDF版)は、そのまま見るなり、ダウンロードして楽しむなり、自由にご活用して下さい。「老健みやざき第37号」へのページはこちらからどうぞ。

11月11日は介護の日(県長寿介護課HPご参照を)

 11月11日は「介護の日」。「いい日、いい日、毎日、あったか介護をありがとう」にかけて厚生労働省が平成20年度から設定しました。またその取り組みの一環として11月4日から17日までを「福祉人材確保重点実施期間」として設定されています。

県内でも「介護の日」および「福祉人材確保重点実施期間」にちなみ、市町村、関係機関および団体、事業所等が連携して様々な関連行事が予定されています。

会員老健施設におかれても、この行事に参加されるところがあろうかと思います。県長寿介護課のホームページに行事予定が掲載されていますのでこちらをご参照下さい。

介護の仕事の魅力が伝わり、よろこびが広がり、より多くの介護の担い手が私たちの仲間となって下さることを願っています。

「高齢者よろず電話相談会」のお知らせ(県司法書士会)

 宮崎県司法書士会による「高齢者よろず電話相談会」が11月21日(水)10時から16時にかけて実施されます。

 相談用電話番号は0985-23-6399(当日のみ)

 相談は無料ですが、通話料がかかります。また面接による相談会も宮崎県司法書士開館で同時開催とのこと(事前予約が必要です)。

 詳しくはこちらをご覧下さい。また相談会のチラシもありますのでこちらからご参照・ご活用下さい。

【この相談会に関する問合せ】

○宮崎県司法書士会

 電話:0985-28-8538(※←この電話での相談はできません

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