「私が知っている一切は私が何も知らないということである」と言ったのはソクラテス(人生の指針が見つかる『座右の銘』1300、別冊宝島編集部 編、宝島社)。
介護の現場で働き続ける中で、色々なことに気づき、学びを得るわけですが、いくら気づき、学んでも「これで十分」ということはありません。むしろ気づかず、学び得ていないことの方が多いのではないかと思う今日この頃です。ソクラテスは自分が無知であると知っている時点で相手より優れていると考え、また真の知を探求するには自分が無知であるということを知ることからスタートすると悟り、このような言葉を残したのだと思いますが、今の時代でもこれは普遍だと思います。
新人スタッフを迎え、各老健施設でも新人教育研修が行われているかと思いますが、教わる方はもちろんのこと、教える側の方も「自分は何でも知っている」という考えを捨て、「共に学ぶ」という姿勢から再スタートを切るには良い機会だと言えます。今まで常識だと思っていた事に疑問符をつけ、新たな視点で考え直し、よりよいケアの提供へ結びつけられるよう、まず「何も知らない」ということを知りましょう。