第15回大会開きました(その5)

それを踏まえて東会長は「在宅復帰・在宅療養支援」の考え方に基づく平成30年度報酬改定について解説していきました。

 改定前は老健施設の在宅復帰支援機能が「在宅復帰率」「ベッド回転率」「重度者要件」の3つの指標により3類型で評価されており、「従来型」から「在宅支援加算型」、さらに「在宅強化型」へと上るには「厳しい1本道、山を登るのも重装備だった」と表現。

これに対して改訂後は10項目の指標の様々な組み合わせにより5類型となった「その他型」から「超強化型」への移行を「様々なルートを選定できる。軽装備でも上れる」と説明しました。

そして「点数の撮り方も大事ですが、算定要件が大事ですので注意して下さい」として、「『リハビリテーションマネジメント』はリハビリ職だけではなく、全部の職種がリハビリに関わること」、「『地域貢献活動』は夏祭りをするだけではなく、夏祭りで認知症予防教室をやる事などが必要で、老健の地域貢献活動は今後重要になってくる」、「『充実したリハ』はケアプラン、リハビリテーション計画書にきちんと計画されていることが大前提。『20分程度、週3回程度以上』とあるが、調子が悪くなり18分でやめたとしても構わない。ただし『切り売り』して合計20分というのはだめ」など、そのポイントなどについてスライドを用い、事例も交えながら注釈を加えていきました。

さらに収支シミュレーションを解説する中で介護の担い手を増やし、介護職員の労働環境を充実するとともに、介護職の専門化にも役立つ介護助手の採用や、全老健が老健でのケアを老健の理念にかなったものにするべく開発された全老健版ケアマネジメント方式「R4システム」の導入を推奨しました。

引き続き「かかりつけ医連携薬剤調整加算」、「所定疾患施設療養費」、「生活機能向上連携加算」などについて説明がありました。

(つづく)

第15回大会開きました(その4)

 続いて東会長は「老健施設の定義が変わる!」というスライドを示して「老健ができて30年を過ぎましたが、介護老人保健施設の定義が変わったのは初めてです」と介護保険法第8条に定める老健の定義が次のように変わった事を説明しました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【介護老人保健施設の定義:介護保険法第8条】

《改定前》

「介護老人保健施設とは、要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行う事を目的とする施設」

《改定後:平成29年6月2日公布》

「介護老人保健施設とは、要介護者であって、主としてその心身の機能の維持回復を図り、居宅における生活を営むための支援を必要とする者に対し、施設サービス計画に基づいて看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 「これまで運営基準(省令)で老健の在宅復帰については定義づけされていましたが、今回の改定ではその上位概念である介護保険法(根拠法)によって『在宅支援』が、明示されました。介護報酬改定もこれに基づいて変わりました。在宅支援のためにお金をつけるということです。在宅復帰は小さいです。『在宅支援』を頭にぶち込んでおいて欲しいと思います。キーワードは『在宅支援』です」と、老健が在宅支援(と在宅復帰)の地域拠点となる施設であり、リハビリテーションを提供する機能維持・回復の役割を担う施設であることを強調しました。

 (つづく)

第15回大会開きました(その3)

 開会式に続き、続いて基調講演「30年改訂後の取り組むべき方向性について」に移りました。講師は公益社団法人全国老人保健施設協会(全老健)の東 憲太郎会長。ご多忙の中を縫って来県いただきました。

三重県老人保健施設協会の会長も務められている東憲太郎全老健会長は子供時代、宮崎県内の学校で学ばれた事もあり、本県にはとりわけ深い親近感を覚えられている様子で、長旅の疲れも見せず、にこやかな笑顔で会場に語りかけはじめました。

東会長は平成30年度の介護報酬改定に当たり、東奔西走の活躍をされました。講演ではまずその様子が紹介され介護関係団体が一致団結し、「介護の現場を守るための署名」181万筆を超える署名を集め、財源確保の要望書を官房長官、財務大臣、厚生労働大臣に提出。その努力が奏功し6年ぶりのプラス改定となりました。「0.54パーセントのプラス改定。これは大変大きいです。マイナスになるかもしれないし、診療報酬改定0.55パーセントの半分くらいになればいいかと思っていたらこの数値になりました。今後も老健だけでなく介護関係団体が一致団結して、財源を確保することが大事です」と、奔走の様子を紹介した新聞記事や写真を紹介しながら、今後も「介護離職ゼロ」達成に向けて介護職員の処遇改善を推進するため、介護関係団体が結束して要望活動を継続し、財源を確保することの重要性を訴えました。

(つづく)

第15回大会開きました(その2)

 午前10時40分、いよいよ開会です。大ホールは266人の参加者で埋め尽くされました。

 開会にあたり挨拶に立った当協会の櫛橋弘喜会長は「これからは老健のアイデンティティ、老健の価値が問われてきます。老健の機能は在宅復帰だけではなく、自立支援、そして在宅支援。これをしっかりしておかないと老健の価値観がなくなります。本大会では2025年に向けて介護保険の流れ、老健のあり方について忌憚の無い意見を交わし、地域の中の老健を目指しましょう」と呼び掛けました。

 また来賓として宮崎県福祉保健部の川野美奈子部長にご臨席賜りました。川野部長は「老健は今大きな転換期を迎えていることと思います。県では平成30年3月、3年間の県高齢者福祉保健計画を作りました。我々も施策を進めて行きますが、皆さんも高齢者福祉の更なる向上のため、役割は大きくなるし、協会への期待も高まります。本日は実り大きい大会になりますとともに、協会の発展と皆様のご健勝を祈念します」と県民の医療・福祉・保健のための当協会および会員老健施設の今後の事業・活動の展開に対する期待と激励の言葉をいただきました。

 次にテーマ表彰がありました。大会テーマは会員老健施設役職員を対象に公募したもので、厳正なる選考の結果、グリーンケア学園木花の津曲渉さんの「老健、大改革! ~『強い老健』を目指して~」が大会テーマに選ばれました。津曲さんには賞状と記念品が授与されました。

(つづく)

第15回大会開きました(その1)

 平成30年12月22日、当協会の第15回研究大会をJA・AZMホールで開きました。県内会員施設から役職員266人の参加をいただき、講演や研究発表を通じ、意見や情報、問題意識を共有し、大変有意義な大会となりました。

  大会運営に当たっては県内会員老健施設から運営協力員59人を派遣していただきました。大ホールに全員集合した運営協力委員はその後広報、受付、分科会など、それぞれの係に別れ、確認そして準備作業に取りかかりました。

 受付開始と同時に、県北、県央、県西、県内の各会員老健施設から参加者が続々と集まってきました。開会に向けて、会場の雰囲気も徐々に盛り上がりを見せてきました。

(つづく)

みんなで予防!インフルエンザ

 寒さが厳しくなり、インフルエンザの流行が懸念される時期となりました。宮崎県福祉保健部健康増進課感染症対策室感染症対策担当のホームページによると、平成30年第50週(同年12月10日から12月16日まで)の感染症発生動向調査において、既にインフルエンザの定点医療機関からの報告数が68人、定点当たり1.15となり、インフルエンザ流行の目安とされている定点あたり「1」を超えています。

 今後県内での流行が懸念され、とりわけ高齢者施設での感染症予防対策の徹底が重要となってきます。

 同対策室担当ホームページにはインフルエンザ予防を呼び掛けるコラボポスター「みんなで予防インフルエンザ」の他、参考リンク(「平成30年度今冬のインフルエンザ総合対策(厚生労働省)」、「インフルエンザ施設内感染予防の手引(平成25年11月改定)」、「インフルエンザ予防啓発リーフレット(宮崎県健康増進感染症対策室)」なども貼ってありますので、それらも活用しながら感染症予防対策の強化徹底に努めましょう。

2019年スタート!!

 2019年、平成31年が始まりました。あけましておめでとうございます。

旧年中は当協会へ並々ならぬご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

2025年に向けて、またひとつ暦が改まった中、介護老人保健施設が利用者の在宅復帰、在宅支援をはじめ、地域包括ケアシステムの中核施設としてのより一層の役割発揮が求められています。

このような中、今年も当協会は広く県民の保健、医療および福祉の増進に寄与すべく、様々な活動を展開して参る所存ですので、何とぞご理解、ご協力方賜りますようお願い申し上げます。

スマホで見られる!「介護福祉士のお仕事2018」(電子ブックアップしました)

 平成30年度版「介護の仕事」PRパンフレット、「マンガでわかる!介護福祉士のお仕事2018」の電子ブックをはじめ、これまでのパンフレットを協会ホームページにアップしました。

このパンフレットは「地域医療介護総合確保基金」に関わる宮崎県の委託事業として当協会が平成27年度より取り組んでいるもの。増加する介護ニーズに対応すべく、介護や介護の仕事に対する理解促進およびイメージ向上をはかり、介護人材のすそ野を広げ、介護従事者の確保をはかることを目的に作成しているものです。平成28年度からは若い人達にもより伝わりやすいようにと、介護の現場とその魅力をマンガで伝える形式を採用し、好評をいただいてきました。3冊目となる平成30年度は、これに加えて高校の福祉科を訪問し、介護福祉士を目指し笑顔で真剣に学ぶ生徒達の様子を紹介しています。

紙媒体としての今回のパンフレットは2万部印刷し、県内の中学2年生全員や関係機関、イベント等で配布し大変好評を頂いています。そこでこの度、パソコンやスマートフォンでも閲覧できるよう、これまでの「マンガでわかる!」シリーズ3冊を電子ブックにしました。

「マンガでわかる!」シリーズの閲覧はこちらからどうぞ。読者の一人でも多くの方が、私たちとともに介護の現場で働く仲間となって下さることを願っています。

「魅力的な職場づくり推進講演会」のお知らせ(県長寿介護課)

 宮崎県長寿介護課は平成31年2月6日(水)、12時30分から、JAアズム本館大ホールで「魅力的な職場づくりを推進するための講演会」を開きます。

この講演会は、福祉・介護の分野において、現場の人材確保や育成、定着等のために事業所が雇用管理改善を進めることは非常に重要な課題となっている中、福祉・介護現場で働いている自分自身が、少しでも働きやすい職場となるために何が必要であるかを一緒に考えるために開かれるものです。くわしくはこちらをご覧下さい。

【この講演会に関する問合せ先】

○福祉保健部長寿介護課居宅介護担当
〒880-8501 宮崎県宮崎市橘通東2丁目10番1号
電話:0985-26-7059
ファクス:0985-26-7344

「訪問リハ提供緊急調査」回答27日まで(全老健)

(公社)全国老人保健施設協会(全老健)が実施している「訪問リハビリ提供に関する緊急調査」の回答期限は平成30年12月27日となっています。

調査対象施設(「平成29年度介護老人保健施設の現状と地域特性等に関する調査」において、訪問リハビリテーションの実績が1人以上あると回答のあった施設)はこちらをご参照の上、期日までに回答下さいますようお願いいたします。

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