研修会を開きました(リハビリテーション研究部会)

  ()宮崎県老人保健施設協会リハビリテーション研究部会(吉屋清彦委員長)は93日、宮崎市のニューウェルシティー宮崎でリハビリテーション研修会を開きました。

 この日のテーマは「通所・入所のリハビリテーション計画立案に関して」。県内24施設から56人が参加しました。他業種協業の観点から、今回の研修会開催にあたっては、リハビリ専門職のみならず、他職種にも参加を呼びかけ、看護・介護の職員もそれぞれ2名が受講しました。

 講師は前年度の研修会に続き、熊本市の介護老人保健施設介護老人保健施設清雅苑野尻晋一副施設長。前回は他業種協業により利用者の在宅復帰をめざし、そして在宅生活を支援する具体的手法などについて、講演をしていただきました。

IMG_0343.JPG 今回は、これを踏まえ、実例に基づきグループワークを実施。入所利用者が在宅復帰を目指す上での課題の抽出と整理、そして退所にあたっての支援計画と退所後のリハビリテーション計画の立案を行いました。どのグループも参加者が熱心な意見を出し合い、研鑽を深めていました。IMG_0352.JPG

欣喜雀躍(きんきじゃくやく)

  喜び、嬉しさのあまり、小躍りして飛び跳ねること。またその動作の様子を欣喜雀躍(きんきじゃくやく)と言います。世界陸上男子ハンマー投げで見事金メダルの栄誉に輝いた室伏浩二選手。オリンピックと世界陸上の両方で一位というのは、日本人では初めての快挙だそうです。

 ちょうどその瞬間を、テレビで見ていました。最後の投てきを待たずに優勝が決定した瞬間、見ている私は欣喜雀躍!ても、そこで欣喜雀躍せずに、しっかり80メートルオーバーを投げて締めくくった室伏選手の集中力、そして精神力、素晴らしいと思いました。また、その後、ともに競い合った他選手と健闘をたたえ合う姿も清々しかったです。最高の練習と、最高の調整をしてきた者同士が、最高の舞台で最高水準の競技を繰り広げたからこそ分かち合えるものがあるのだ、と少しうらやましくなりました。

 それにしても、他の種目や、他のスポーツならピークを過ぎていてもおかしくない36歳という年齢での優勝。ハンマー投げが決して怪力に頼ったものではないということを、高度な投てき技術をもって証明してくれました。他の選手と比べても、段違いに美しいフォームに見とれてしまいました。それにあの研ぎ澄まされた集中力が加わったわけですから、5投目くらいで既に解説者が「これはもう室伏は優勝ですよ!」と言っていたのも納得です。

以前のようながむしゃらな練習はせず、量より質を重視したトレーニングをしているのだとのこと。中でもユニークなのが、「赤ちゃんの動き」を取り入れた練習。テレビでも少し映っていましたが、ひょっとすると、新たな練習法として、他の競技にも広まるかもしれませんね。それどころか、その理論が「筋肉が発達していない赤ちゃんが、転ばずに、バランスがとれているから」という根拠に基づいているじゃあありませんか!これって、「筋力が低下した高齢者が、転ばない方法」に結びつきはしないでしょうか!?そうだとすれば、老健のリハビリに是非是非取り入れたい!と思った次第です。室伏選手が自らの身体を実験台にして取り組み、そして結果を出したわけですから、これほど説得力のあるものはありません。競技終了後、室伏選手と喜びの抱擁を交わしていたのは理学療法士のロバート・オオハシさん。老健の理学療法士のみなさん、室伏選手の「赤ちゃん体操(?)」いかがでしょうか?

ひとりよりみんなで

   アメリカの実業家、カーネギーは「人間はすぐれた仕事をするには、自分ひとりでやるよりも、他人のたすけをかりるほうがよいのだと悟ったとき、その人は偉大なる成長を遂げる」と言ったそうです。老健に勤める者にとっても、この考えは大事です。他職種によるチームプレイで、利用者様を多角的、総合的にケアしていかなくては老健の真の機能は発揮されませんし、ADL、そしてQOLの向上は望めません。

 他者の能力を認め、仲間を信じて仕事を任せる、という意味において、それを体現していた人物というと、アメリカの伝説的バスケットボール選手、マイケルジョーダンを思い浮かべます。空中を歩いているかと錯覚するような滞空時間の長いジャンプ力、それをいかしたフリースローラインからのダンクシュート、シュートを放った直後に試合終了のブザーが鳴るという絶体絶命の中での冷静かつ正確な逆転シュート(いわゆるブザービートですね)・・・。彼自身のすごさを語れば枚挙にいとまがありませんが、そんな中でも、とりわけすごいと思うのは”ノールックパス”。激しい動きの中で相手選手を引きつけるだけ引きつけておいて、あさっての方向を見ながらおとといの方向に矢のようなパス。あっけにとられる相手選手の間を抜けたパスは、待ち構えるフリーの味方選手(スコッティーピッペンとか)の手に渡り、楽々とシュート。「ジョーダン様よ、あなたの目は魚眼レンズですか?」と問いたくなります。しかし、彼は、仲間を信じ、仲間がそこにいることを心の目で見て、自分がおとりになりながら仲間にボールを渡し、シュートを託すのでしょう。自分ひとりでやるのではない。仲間のたすけを借りて、仲間と共に勝利し、仲間と喜びを分かち合う。すばらしい仕事ぶりです。

 マイケルジョーダンを見習いましょう!と言っても、相手の顔も見ない、言葉も交わさない、というのは真似するところじゃないですね。それができるのは、よほどの神業の持ち主か、はたまた職務怠慢かのどちらかでしょう。しっかり相手を見て、言葉のパスで情報を伝達しあって、「ほうれんそう」を徹底して、仲間を信頼し、チームプレイで仕事をしていきたいものですね。 

講演会のご案内(宮崎キュアケアネットワーク)

宮崎キュアケアネットワーク1016日(日)の13時から16時にかけて、宮崎市の宮崎市民文化ホールで「看取りを伴う地域医療ネットワーク作り」の講演会を開きます。

 講師に佐久総合病院地域ケア科医長の北澤彰浩先生をお招きし、基調講演やパネルディスカッションを通じて、「看取りのあり方」を共有するとともに、地域住民が安心して最期を迎えられる環境作りができるネットワーク作りについて考えていきます。

 参加費は無料。医療・介護に従事する人はもちろん、どなたでも受講できます。くわしくはこちらをご覧ください。

フライングX

  中年のロックファンなら「フライング・・・」と言えば「V(ヴィ)」!」と答えたはずです。そうです。エレキギターのフライングVです。特徴はなんといってもその見た目。ボディがVの字になっていて、いかにも攻撃的で斬新でした。ただし、演奏しやすいか、というと、必ずしもそうではなかったのですが。

 このかっこいいフライングVを、多くの日本人が初めて見たのは、たぶんアメリカの伝説的(?)人気ロックバンドKISSのヴォーカル、ポール・スタンレイのそれではないでしょうか。歌舞伎のようななメイクとゴジラのような出で立ち(特にジーン・シモンズ)20センチはあろうかと思われるブーツ。血を吐く、火を噴く、ギターを燃やす壊す、と日本人の度肝を抜いたステージに、当時のロックファンはとりこになったものですが、その時にポールが弾いていたのがフライングVだったのです。ストラップを伸ばし、ギターを下げてかき鳴らすそのスタイルも相まって、それまでのレスポール、ストラトキャスターというエレキギターの両横綱の間にどどーんと割って入ってきました。ただし、実際に買って、弾いていた人はそこまで多くなかったようですが・・・。

 一方、陸上競技では、「フライング」はダメなのです。一発失格をくらうわけです。以前は1回目は許され、2回目だと、アウト(1回目フライングじゃない人でも)だったのですが、1回目にわざとフライングして他選手を動揺させる人もいるからとのことで、一発勝負となったようです。

 日曜日の世界陸上。世界中が世界新を期待し、注目した100メートル男子決勝でのボルト選手。なんとなんと、そのフライングをしてしまいましたね。これこそ「千慮の一失」とでも言うのでしょうか。もちろん、失格。ユニフォームを脱いで悔しがるボルト選手の姿が、にわかに現実のものとして受け止めることができませんでした。

 そんなわけでかつては、「フライング」とくれば「V」。victoryにもつながらうVだったのですが、今や、フライングは「V」じゃなくて「X」。エックスですが、バツにもつながるX。つまり、「フライングX」になってしまいました。何とも残念です。一番がっかりしているのは当の本人だと思います。立ち直るのには時間がかかるかもしれませんが、失格からの復権は、リハビリテーションの哲学とも相通ずるものがあります。世界は待っています。ロンドンオリンピックでの復活を。あの超人的な走りで、そして記憶と記録に残る走りで、私たちを再び魅了してほしいと願います。

あれから一年(その2)

  昨年の827日は、宮崎県にとって、本当に待ち望んだ日でした。口蹄疫の終息がついに宣言されたのです。420日に発生が確認され、518日には非常事態宣言。それからは非常とも異常とも言えるような事態に陥りました。薫風がそよぎ、梅雨が軒をしたたり、まぶしい日ざしが肌を刺していたはずなのですが、季節がいくつか抜け落ちたかのような虚無感の中で、時間だけが過ぎていったような気がします。

 あれから一年。経営を再開した被害農家は57%にとどまっているのだそうです(8月末)。季節の足音が蘇った今も(しかし、東日本大震災以降、今年はそれがあまりにも早く感じてしまいます)、口蹄疫が残した傷跡の深さを改めて思い知らされます。

 感染症の恐ろしさは人間も家畜も変わりありません。口蹄疫もこれで未来永劫に発生しないという保証はありません。「過去の病気」と言われた結核でさえも、今なおその存在を誇示しているように。ましてや、口蹄疫の感染経路はいまだに解明されていないのだそうですから、油断できません。

 どこの老健施設でも、感染対策への取り組みは行われていると思いますが、宮崎県民の一人として、また感染症の怖さを知り、日々予防に勤しむ老健職員の一人として、あの惨劇を二度と繰り返さないよう、そして、いつまでも「太陽のメロディー」が降り注ぎ続けるよう、「がんばろう宮崎!」「がんばろう日本!」の気持ちを絶やさぬようにしたいと思います。

ハムエッグ(なんて言ってる場合じゃない!)

 その一昔、「ハムエッグ」というと憧れのおかずの一つでした。玉子を2、そう、2です!を使って目玉焼きを作り、その上にハムを添える。皮の赤いやつです。それをフォークとナイフ、そう、フォークとナイフです!で食べる・・・。それだけなのですが、子供心に優雅で、贅沢に思えた御馳走でした。今のように情報化が進んでおらず、世界をこの上なく広く感じたその当時、「西洋の人たちは毎日、こんな豪勢な食事をしているのかぁ」とうらやましく思ったものでした。今思えば何とも無邪気というか、恥ずかしいというか・・・。

 なぜ唐突にこんなことを思い出したのかというと、昨日の天気予報を見たからです。そこには左に台風11号、右に台風12号が南の海洋上に綺麗に並んでいるではありませんか!そのときです。「あっ!ハムエッグだ」と連想したのは。玉子を2個使って、そしてハムは・・・あーっ!!何と日本列島じゃないですか!しかもそれぞれ成長しながらゆっくり北上しているとのこと。

 ハムだのエッグだの言っている場合ではありません。思わず「一体何を考えているんだ?お前は!」と自分を叱りつけました。このままいくと、来週あたりが接近、あるいは上陸といった恐れが出てくるのではないでしょうか。

 気象庁の台風情報等で、情報を把握しながら、早めの対応を心がけましょう。

呵々大笑(かかたいしょう)

  今年でついに番組終了となる「水戸黄門」。あの揺るぎなき超ワンパターン痛快勧善懲悪時代劇が終演を迎えるのは、誠に残念なことです。これも時代の流れなのでしょうか。昭和は遠くなりにけり。いわんや江戸をや。

 さて、この「水戸黄門」と言ったら、初代黄門様の「かーっかっかっかっ」という高らかな笑い声が何と言っても印象的でした。広辞苑によれば、この「大きな声をあげて、からから大笑いすること」を「呵々大笑(かかたいしょう)」と言うのだそうです。「笑いがいちばん」というテレビ番組もありますが、医学的にも笑うことで得られる身体的、精神的な効用はいろいろと研究・証明されています。そんな中で、この「かーっかっかっかっ」という笑い方、何かをする時の発声に似ていないでしょうか。

 それは、お堅い言い方をすれば「喀痰(かくたん)」。汚い例えで誠に恐縮ですが、不心得者が道端にたんを吐き捨てるときに、「かーっ、ペッ」とやる、その最初の「かーっ」の発声です。なお、路上でたんを吐き捨てる行為はマナー違反ですし、法律でこれを禁じている国もありますのでくれぐれもご注意あれ。

 しかし、この喀痰がうまくできないと、痰が肺にたまったり、のどに詰まらせたりする危険があります。また、食べ物や飲み物が食道ではなく、誤って気道に入ってしまい(誤嚥:ごえん、誤飲:ごいん)、肺炎を引き起こす恐れもあります。NHKの「ためしてガッテン」では、歳をとるにつれて、そのリスクが高くなると説明していました。老健に勤める者として、これは看過できない問題です。

 利用者様の喀痰能力を維持、向上させるためにも、「かーっかっかっかっ」と笑う機会をより多く提供すること。これも老健に課せられた役割なのではないでしょうか。ましてや、「水戸黄門」が終わらんとしている今日において、その責務はますます重要になっているのではないでしょうか。

 ところで、「呵々大笑」の「呵」を広辞苑で調べると、「(1)しかること。(2)わらうこと。」とあるから少々驚きです。利用者様をしかる事はもちろん、利用者様にしかられる事があってもなりません。「かーっかっかっかっ」と笑っていただいて、「今日も一日楽しかった」とおっしゃっていただけるよう、日々研鑽を積みたいと思います。

てんてんはんそく(輾転反側)

  「輾転反側」と書いて「てんてんはんそく」と読みます。広辞苑によると、その意味は「思い悩み考え込んだり、心配事があったりして眠ることができず、何度も寝返りを打つこと。一晩中、あれこれ悩み、心配しているさま」とあります。この「輾転(てんてん)」、そして「反側(はんそく)」とも、寝返りすることを言います。厳しい残暑が日中のみならず、毎晩続いている今日この頃、悩みや心配がなくても、眠れずにゴロンゴロンとのたうち回っているうちに、朝が来てしまった、という方もおられるのではないでしょうか。

 しかし、ご周知の通り、この「寝返り動作」というのは大事です。寝返りができなければ、床ずれ(褥瘡:じょくそう)の原因となります。よって、定時の体位交換が必要になってきます。

 眠れない夜ならば、あえて輾転反側せず、ずっと寝返りを打たずに寝たら、どれだけ辛いか、そして、適切な体位交換がいかに必要か、自ら体験してみるのも良い機会かもしれません。

シルバーケア野崎をルポしました!

 ()宮崎県老人保健施設協会企画広報委員会はこのほど、「老健みやざき 24」の巻頭企画”老健ルポルター寿(じゅ)“の取材のため、会員施設の一つシルバーケア野崎(宮崎市)を訪問、取材しました。 

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 「通所リハビリを行う1階ホールが木目で明るく広い」との事前情報をキャッチしていた委員会メンバー。確かに明るい。でも、この明るさはそれだけじゃない!?と見回してみると、すぐに納得!利用者様と職員がとにかく明るい!あちこちで笑顔と笑い声がはじけていたのです。

 

DSC01327.JPG 「ご利用者様本意のケア」をめざしている同施設、利用者様が「これがやりたい!」とおっしゃれば、それを実現するのだそうです。たとえば囲碁大会。月に一度、定期的に開催しており、その日には腕に自信の利用者様が集い、熱戦を展開。優勝者にはトロフィーと賞状が授与される本格的なものです。白熱した対局が長引けば、決着がつくまで送迎を遅らせることもあるのだそうです。他にもカラオケ大会や書道教室など、楽しく、ためになる催しがいっぱい。そして、短歌教室は「社会的援助を必要とする高齢者のための短歌大会」として、全国にその輪が広がっています(歌集『老いて歌おう』第一集、第二集も出版されています)。

 

IMG_0113.JPG  他にもすばらしい取り組みや、すごい人たちがいっぱいで、委員一同、感動と驚きの連続でした。「老健みやざき 第24号」は今秋発刊予定です。この日に取材したシルバーケア野崎の魅力を満載してお伝えする予定ですのでお楽しみに。

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